気まずい雰囲気を破ったのはていらいとさんだった。
椅子に座ったら斜め後ろである私の方を向いて話しかけてきた。
危ない、危ない。これ以上心配をかけるのは良くないってことがよーくわかってるから気をつけないと……。
窓から背の高い影ともう一つの影が見えた。
そして、背が高い方だけ教室に入ってきた。
やっぱり転校生って言うのは本当の噂だったんだ。
瑠依だったらいいなぁ。
教室の扉の方に一気に視線が集まる。
扉はガラガラと音をたてて開き、そして、姿を見せる。
濃い紫色でベリーショートの寝癖がついた髪の毛に、黄色の瞳を持った私の親友。
教室の中がザワザワとし始める。
正直私も驚きだ。
まさか本名じゃなくてるーちゃんで来るとは思ってなかったから…。
ただ…、ただ、こうなると簡単に声を掛けづらくなるかも…。
一般ピーポーを演じている私にとっては有名活動者である46ちゃんに話しかけに行くとかなりやばい目で見られると言うか、かなり嫉妬を受けると言うか…。
うぅ、こんなことならいっそのこと透華で学校入学してれば良かった…。
今からでも変更できたらいいんだけどなぁ…。
いっそのこと、変更できるか先生に聞いてみるか…?
でも、本名バレも辛いしどうするか……。
そんな中、るーちゃんが私に気づくと小さく手を振った。
私も他の人に見えないくらい小さく手を振った。
まぁ、そんなことはどうでもいいや。
今はるーちゃんと同じ学校になれたということだけが一番嬉しい。
うっ、少し遠い…。
やっぱり、私の周りは完璧に埋まっちゃってるから仕方ない。
私は窓側の端っこの席だ。
ただ、一つだけ気になることがあるとするならば、スタストの三人が何かをコソコソを紙を渡し合っていることだ。
うーん、一体何をしてるんだろう…。
まぁ、人の事情には勝手に首を突っ込まない方が良いよね。
私は前を向いて次の授業の準備をする。
そして、昼休み←小説って便利
お昼になった。
お昼はスタストのみんなとの約束がある。
るーちゃんとは、SNSのDMの方で会話してる。流石に人前で、どうどうと有名人に話しかけるわけにはいかない。
まぁ、他愛のない会話を授業の合間合間にしていた。
まぁそんなこんなでお昼ごはんをもって屋上へと向かう。
私はちょこくんに案内されてちょこくんの横に座る。
きっと例の喋りかけられないというものだと思う。
どう返そうかな。
それにしても2つ?
とてもびっくりした。
まさかスタストハウスに招待ではなく引っ越しのご案内が来るとは思ってなかった…。
勿論、あなただけなら良いんだけど…透華もガラスセカイも一緒に行くとなると機材やら色々持っていかなくちゃいけないし、それしたら身バレしそうだし……。
いっそのことここの人たちに身バレさせてみるっていうのも手だけど…。
どうしようかな…。
でも、心配かけてるし……。
そう、重大な秘密とは私=透華=ガラスセカイだということ。
機材を持ち込みたいし、知ってもらえてるほうが気持ち的にも楽だから。
でも、教えるのはいいけど、教えてもいいかはみんなの意見次第…。
それで関係が崩れてしまっても文句は言えない。
どうやら、みんなとても悩んでるみたい。
そりゃ悩んじゃうよね、関係が崩れるかもしれないって言われたら。
手を上げている人はいない。
これで私の引っ越しが決まったようだ。
理由は知ってる。
ただ、誰からの情報なのかを聞きたい。
誰…だ?
ちょこくんのDMでも聞いたけど確か私の小学生時代からの幼馴染って言われる類の人…。
忠孝未来人? 聞いたことある名前な気はするけれども…。
思い出せないや。
ドクンッ
!?
急に頭が…。
いじめられるか。
私、いじめられたくなんてないけど、中学の時みたいに弱いわけじゃない。
アンチにも耐えられてるわけだし、最近はちゃんと踏みとどまれるようにもなった。
リスカにも走らない。
うん、いじめられるかもしれないけど話せないのはもっと嫌だ。
あ、そういう意味で言ったんじゃなかったんだけどなぁ…。
零とかるーちゃんとか、信頼できる人がいるから。
勿論、スタストのみんなも信頼している。
ー?ー












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。