この村は九年前から戦で二度程壊された
きっと私の話は聞いてくれているのだろう
戦で焼かれたこの村で母ちゃんは死んだ
それがショックで父ちゃんは気力を失っちゃった
村にはそれを乗り越えた奴と今でも戦っている奴が沢山いる
父ちゃんはご飯は昔よりは食べてくれるようになった
声を出すことはほとんど無いけれど私は生きてくれているだけでいいんだ
私はそういいながら潰した魚と米を交互に父ちゃんの口に運ぶ
生きていれば腹が減る
そんなことは当たり前
私たちの生活は実際かなりカツカツだ
せめて父ちゃんが元気になってくれたら
そんな思い一心で生活を切り盛りしている
そう言って父ちゃんは寝た
私はそんな事を言っては父ちゃんが残した食べ物を食べる
私はきっと重度のお人好しなのだろう
周りの大人からは色々と言われた
「あの人はもう駄目だ」
「あなたの下の名前ちゃん、父親だからってもう面倒とか見なくてもいいんだよ」
「そうだ、そうだ
はやく結婚でもして自分の幸せを大切に、、、」
「このままじゃ、アンタも壊れちまうよ」
ピューーーーー
私は食べ終わった食器を洗い体も拭きもう寝てしまおうとしていた
鳥?鳥にしては聞いたことが無い
鳥っと言うよりも笛に近いよね
こんな夜更けに
私は急いで家を出たら目の前に三郎がいた
こんな夜更けに三郎は小さな巾着を渡してきた
本当に小さな片手で収まってしまうような
三郎はいつもそうやって私の嬉しいことをしてくれる
それはとても嬉しいことだけど
私は彼に三郎に何かしてあげられているのかな、、、
いつも貰ってばっかで
私には返せるものが何も無い
こうやって少しでも三郎が望むことに応えたい
私は三郎に少し待ってもらい着替えて今は村の外れ
家もほとんど無い人気の少ないところを歩いている
三郎はいつもとはちょっと違ってめっちゃ話してる
勿論、話してくれるのはいい事なんだけど
その姿が少し幼く見えて可愛い
匂い袋の優しい香りが鼻を撫でる
こんな生活がずっと続いたらいいのに、、、












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!