第30話

【特別企画🌈】《虹色姫》と私 前編
803
2025/09/14 10:25 更新
※リクエスト特別企画です。今回のお話には、他のプリ小説作家さんの作品のキャラが登場します。
詳しくは後編の文末で。




にじいろ
……………………ぅわアアアアアアああ!
(。º\(@口@)/º。)
ドッシゃアアアアん!!!


ある日、我らがハズビンホテルに。
並行世界からのお客様がやって来た。





その日は、ホテルのいらない備品をみんなで整理していた。
チャーリー
ようし! もう少しで終わりそう。
ヴァギー
ほら! そこ! 
さぼってないでキリキリやる!
読まない古本や、古くなった家具、脚の折れた椅子、穴の開いたカーペット、なんやかんやをみんなでロビーの真ん中に詰み、一息つく。
あなた
みんなー! おつかれさま!
仕事が終わり、粗大ごみがまとめられたところで、私は飲み物とおしぼりと軽食をのせたワゴンを運んできた。
エンジェル
おー! サンキュー。あなたのカタカナで名前
ハスク
すまねえな。
サー・ペンシャス
休憩だエッギーズ。
チャーリー
ふう、みんなのおかげで思ったよりも早く片付いたわね。
後はこれをーーーー



その時だった。


パチッ!!



あなた
ん?


急に天井の辺りが光ったかと思うと………。



にじいろ
……………………ぅわアアアアアアああ!
(。º\(@口@)/º。)
ドッシゃアアアアん!!!



粗大ごみの山の上に。



一人の女の子が落ちてきたのだ。





チャーリー
ゴホッ! ゴホッ!
いったいなんなの……?
埃に咳き込みながらチャーリーが叫ぶ。

みんな何が起きたのかわからなくて呆然としていた。
にじいろ
ううう………イタタ(>_<)
崩れたガラクタの中から、20歳前後くらいの女の子が身を起こす。

長く黒い髪に、ルビーのような右目、金色の左目、黒縁メガネをかけ、顔のほとんどを黒いマスクで隠し、黒いロリータ系ファッションに身を包んでいる。

めっちゃ可愛い子だ。

地獄にいるってことは、悪魔なはずだけど……なんだか、何も悪いものを感じない。
ハスク
女? 女が落ちてきたぞ。
エンジェル
落ちてきたってどこから?
天井しかないよ?
ニフティ
アハハハ、悪い子かなあ?
謎の女の子は、痛そうに背中をさすっていたけれど、フラフラと起き上がって埃をはたいた。
あなた
ねえ、あなた大丈夫?
にじいろ
あ、どうもご親切に……………
ほえ?(・ω・)
私が駆け寄ると、女の子はパチパチと目を見開き、キョロキョロと辺りを、そして、私たちの顔をじっと見回して………。
にじいろ
うそ!?
ハズビンホテルだ!!
本当に別の世界に来たんだ!!!
あなた
えっ? なに?
なぜだか、興奮気味に女の子は息を弾ませる。
チャーリー
まあ? もしかして、このホテルの
ことを知って来てくれたお客様?
チャーリーが目をキラキラさせて近寄ると……。
にじいろ
あっ!? チャーリーさん!?
……あの、私のことわかります?
σ(o・ω・o)
チャーリー
あら? ごめんなさい。
どこかで会ったかしら?
にじいろ
や、やっぱり。
私のことを知らないってことは……
にじいろ
このチャーリーさんは私の世界の
チャーリーさんとは別人なんだ!
゚+。:.゚(*゚Д゚*)゚.:。+゚
アラスター
まあまあ、とにかく落ち着きたまえ。
ちょうどティータイムだったんだ。
一緒にいかがかな?
にじいろ
あ! アラスターさんも……
なんかちょっと雰囲気違う!
アラスター

とにもかくにも
興奮しきりな女の子を落ち着けて、彼女を囲むようにして私たちはラウンジに腰を下ろした。
さっき用意した飲み物や軽食をテーブルの上に並べ、ワイワイと聞き出したところによると……。
あなた
つまり、あなたはこことは別の……
いわゆる《並行世界》から
来たってこと?
にじいろ
はい。私の元いた世界でも、
地獄やハズビンホテルがあって、
皆さんがいたんです。
にじいろ
あ、私のことは
《虹色姫》と呼んでください。
にじいろ
元の世界の皆さんにもそう呼ばれて
いましたから。
にわかに信じがたい話だけれど、ここにいる全員が初対面のはずなのに、虹色姫はまるでずっと前からの親友のごとく、長く一緒に暮らした家族のように自然に接している。
アラスター
ほう? 並行世界とは面白い。
それで?
キミはなぜこちらの世界に?
にじいろ
はい、今朝、ペンシャスさんが
『世紀の大発明をした!』と
私に発明品を見せに来てくれて
にじいろ
それが、次元の壁を飛び越えて
並行世界に行ける装置だったんです。
にじいろ
それで、私ワクワクしちゃって…
にじいろ
もっとよく見せてもらおうと、
近づいて手を伸ばしたら……
にじいろ
間違ってスイッチ押しちゃった
みたいで……
あなた
それで、私たちの世界へ
転移しちゃったってこと?
にじいろ
はい! 本当に……
にじいろ
私のいた世界とそっくり同じ世界
なのに、全く別の世界で……
にじいろ
ビックリです!\(・∀・)/
アラスター
ハハハハ。別世界からのお客様とは
なんと興味深い……。
アラスター
それで?
アラスター
そっちの世界の私とあなたのカタカナで名前も、
こんなふうに仲睦まじいのかな?
あなた
わ! ちょっと! アラスター!
イタズラっぽく微笑んだアラスターが、片手で私を抱き寄せる。

もう! 初対面の子の前で!

しかし、虹色姫は顔を赤らめると、あわててブンブンと首をふった。
にじいろ
ご、ご、ご、ごめんなさい!
その、アラスターさんは知ってるんですけど、あなたのカタカナで名前さんのことは知らなくて……。
にじいろ
しかも! あのアラスターさんの恋人だなんて!
あなた
ん? それってつまり、
そっちの世界に私はいなくて、代わりに虹色姫がいるってこと?
サー・ペンシャス
うーん、考えられますね。
ペンシャスがあごに手をあて、もったいぶって言った。
サー・ペンシャス
いいですか? 並行世界とは、言うなれば本のページのように重なりあって存在してると言われているんです。
サー・ペンシャス
そして、そのページ数はほぼ無限。
そんな中で、虹色姫がこの世界にやってきたのは、あなたのカタカナで名前の存在に引き付けられたのかもしれません。
にじいろ
はにゃ?(・▽・)
あなた
どういうこと?
サー・ペンシャス
つまり
サー・ペンシャス
虹色姫はこの世界における
あなたのカタカナで名前であり、
サー・ペンシャス
あなたのカタカナで名前はあっちの世界における
虹色姫なんです。
サー・ペンシャス
『もし、ホテルに来たのが虹色姫だったら』
『もし、ホテルに来たのがあなたのカタカナで名前だったら』
サー・ペンシャス
簡単に言うと、
そういう分岐をした世界が
この二つの世界だと言うことです。
にじいろ
おお~!(°○°)
あなた
なるほど。
サー・ペンシャス
それにしても興味ありますね。
もうひとつの世界の私が作ったという転移装置とやらを見せてもらえませんか?
にじいろ
はい。………って、あれ?
虹色姫は、何も持っていない手のひらをグーパーさせている。
にじいろ
あ、あれっ!? ない!?
落っこちてきた時に落としたんだ!
エッギーズ
もしかして、これのことですか?
エッギーズの一人がトコトコやって来る。
エッギーズ
ガラクタの下敷きになってましたよ。
言ってテーブルの上に置いた……大きめの懐中時計のようなスチームパンクっぽい装置。
落っこちて来た衝撃で粗大ごみの山が崩れたため、その下敷きでつぶれて、歯車だの銅線だのが飛び出ている……。
にじいろ
二゛ャーーーーーーッ!!!
⦆(●Ο●)⦅
虹色姫がムンクの叫びみたいな顔で絶叫した。
にじいろ
ど、ど、ど、どうしよう………。
これじゃ元の世界に帰れない……。
サー・ペンシャス
落ち着いてください。
ちょっと見せて…………フム。
ペンシャスは、どこからかダイヤル付きの拡大鏡を取り出すと右目に当て、カチカチと調節しながらじっくりと装置を調べた。
サー・ペンシャス
……わかりました。
これならすぐ修理できますよ。
にじいろ
え!? 本当ですか!
サー・ペンシャス
何しろ別世界の私が設計して作った
ものですからね。
私に直せないわけありません。
にじいろ
わあああああああああ!
\(இдஇ)/
にじいろ
ありがとう! ペンシャスさん!
ありがとうございます!!
言って虹色姫は、思いっきりペンシャスに抱きついた。
あらま!?
サー・ペンシャス
と、とにかく! すぐ直るとは言っても二三時間かかりますので。
チャーリー
それじゃあ、その間は、私たちが
虹色姫をおもてなしするわね。
にじいろ
あのー、それなんですけど。
もじもじと、虹色姫は手を上げた。
にじいろ
どうせすぐに帰るのなら、せっかくだからホテルの外も見てみたくて……。
にじいろ
どこか、私の世界と違うところがあるかもしれないし!
あなた
それもそうね。
それじゃあ、私が外を案内するよ。
私は立ち上がった。
驚いて虹色姫は、目をパチパチさせる。
にじいろ
い、いいんですか?
こんな私のワガママに………
あなた
うん、なんだか他人のような気が
しないし、私で良ければ。
にじいろ
は、はい! (*>∇<)ノ
ありがとうございます!
虹色姫って本当に可愛いなあ。
こうして、私は虹色姫を連れて地獄を案内することになったのであった。


あなた
それじゃあ、行ってきます。
私は虹色姫を連れて、エントランスへ立った。
アラスター
気をつけて行ってくるんだよ。
何かあったらすぐに《マイク》で連絡して。
チュッ♥️
言ってアラスターが私の頬に行ってらっしゃいのキスをした。
虹色姫が目を真ん丸にしている。
あなた
うん! ありがとうアラスター。
大好き❤️♥️♥️
ギュッとハグで返すと、虹色姫が顔を赤くしてあわてふためいていた。
にじいろ
あわあわヽ(・ω・;)\≡ノ(;・ω・)丿
あなた
ん? どうかしたの?
にじいろ
い、いえ………(ドキドキした)
とにかく、私と虹色姫は出発した。
あなた
………もしかして?
あなた
虹色姫って、元の世界ではアラスターのことが好きだったとか?
にじいろ
ファッ(٠ω٠)!?
にじいろ
いやいやいや!(ヾノ・∀・`)
にじいろ
私、好きな人どころか、
恋とか全然したことなくて……
にじいろ
それで、ちょっとビックリ
しちゃって。
あなた
ふうん? そうなんだ。
虹色姫って可愛いし、
絶対にモテそうなのに。
にじいろ
そそそそんな!
私なんて可愛くないですよ!
ヾノ(//´>∀<`//)
いやいや、マスクしてこのレベルって……。
絶対に素顔美人でしょ。
あなた
とにかく、いきなり並行世界へ来て、
いろいろビックリしたでしょ?
にじいろ
はい、だって私の知ってるホテル、
私の知ってる人たちなのに、
全く違う世界の別人なんですから。
にじいろ
特に、アラスターさんに恋人が
いるなんて……本当にビックリです!
あなた
ペンシャスが転移装置を
直してくれる間に、私たちは
私たちで楽しみましょ。
にじいろ
れっつらごー♪
並行世界観光へ!٩(ˊᗜˋ*)و
アハハ、なんだか楽しくなってきた。



あまり遠くに行けないので、
ペンタグラムシティを適当に探索。
にじいろ
わ! あのお店同じです。
にじいろ
うーん、ここは違いますね。
まるで間違い探しのように、キャッキャとはしゃぎながら、虹色姫と遊び倒した。
にじいろ
別世界でも、地獄は楽しいですなあ。
あなた
アハハ。そっちの地獄も楽しいんだ。
休憩がてら、甘いホイップ入りのスムージーを飲みながら歓談する。
虹色姫の世界も、みんな親切で毎日が楽しいとのことだ。ニコニコと嬉しそうに笑う虹色姫を見て、向こうの世界のみんながどれだけ彼女を大切に思っているかを察する。
ふと、通りかかった雑貨屋のショーウィンドウに目が留まった。
とっても可愛らしい虹色のアクセサリーを見つけた。七色の石がキラキラ光る小さなもので、服やバッグなんかの小物に取り付けられるタイプのチャームだ。
そうだ。今日の記念に、これをお土産に持って帰ってもらおう。
あなた
あ、虹色姫。
ちょっとあのお店で買いたいものが
あるから、そこで待ってて。
にじいろ
らじゃー(*゚∀゚)ゞ
虹色姫を外で待たせて、私は店ですぐさま虹色姫のアクセサリーを買った。
えへへ、虹色姫喜んでくれるかなあ。
ウキウキしながら店を出る。
あなた
お待たせー。虹色姫……。
ところが
さっきまでそこにいたはずの彼女の姿はどこにたもなかった。


え? まさか迷子?
呆然と立ち尽くす私に、スマホがメールを着信した。

メール内容は……
虹色姫の誘拐を告げるものだった。
                         続く

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