※リクエスト特別企画です。今回のお話には、他のプリ小説作家さんの作品のキャラが登場します。
詳しくは後編の文末で。
ドッシゃアアアアん!!!
ある日、我らがハズビンホテルに。
並行世界からのお客様がやって来た。
その日は、ホテルのいらない備品をみんなで整理していた。
読まない古本や、古くなった家具、脚の折れた椅子、穴の開いたカーペット、なんやかんやをみんなでロビーの真ん中に詰み、一息つく。
仕事が終わり、粗大ごみがまとめられたところで、私は飲み物とおしぼりと軽食をのせたワゴンを運んできた。
その時だった。
パチッ!!
急に天井の辺りが光ったかと思うと………。
ドッシゃアアアアん!!!
粗大ごみの山の上に。
一人の女の子が落ちてきたのだ。
埃に咳き込みながらチャーリーが叫ぶ。
みんな何が起きたのかわからなくて呆然としていた。
崩れたガラクタの中から、20歳前後くらいの女の子が身を起こす。
長く黒い髪に、ルビーのような右目、金色の左目、黒縁メガネをかけ、顔のほとんどを黒いマスクで隠し、黒いロリータ系ファッションに身を包んでいる。
めっちゃ可愛い子だ。
地獄にいるってことは、悪魔なはずだけど……なんだか、何も悪いものを感じない。
謎の女の子は、痛そうに背中をさすっていたけれど、フラフラと起き上がって埃をはたいた。
私が駆け寄ると、女の子はパチパチと目を見開き、キョロキョロと辺りを、そして、私たちの顔をじっと見回して………。
なぜだか、興奮気味に女の子は息を弾ませる。
チャーリーが目をキラキラさせて近寄ると……。
とにもかくにも
興奮しきりな女の子を落ち着けて、彼女を囲むようにして私たちはラウンジに腰を下ろした。
さっき用意した飲み物や軽食をテーブルの上に並べ、ワイワイと聞き出したところによると……。
にわかに信じがたい話だけれど、ここにいる全員が初対面のはずなのに、虹色姫はまるでずっと前からの親友のごとく、長く一緒に暮らした家族のように自然に接している。
イタズラっぽく微笑んだアラスターが、片手で私を抱き寄せる。
もう! 初対面の子の前で!
しかし、虹色姫は顔を赤らめると、あわててブンブンと首をふった。
ペンシャスがあごに手をあて、もったいぶって言った。
虹色姫は、何も持っていない手のひらをグーパーさせている。
エッギーズの一人がトコトコやって来る。
言ってテーブルの上に置いた……大きめの懐中時計のようなスチームパンクっぽい装置。
落っこちて来た衝撃で粗大ごみの山が崩れたため、その下敷きでつぶれて、歯車だの銅線だのが飛び出ている……。
虹色姫がムンクの叫びみたいな顔で絶叫した。
ペンシャスは、どこからかダイヤル付きの拡大鏡を取り出すと右目に当て、カチカチと調節しながらじっくりと装置を調べた。
言って虹色姫は、思いっきりペンシャスに抱きついた。
あらま!?
もじもじと、虹色姫は手を上げた。
私は立ち上がった。
驚いて虹色姫は、目をパチパチさせる。
虹色姫って本当に可愛いなあ。
こうして、私は虹色姫を連れて地獄を案内することになったのであった。
私は虹色姫を連れて、エントランスへ立った。
チュッ♥️
言ってアラスターが私の頬に行ってらっしゃいのキスをした。
虹色姫が目を真ん丸にしている。
ギュッとハグで返すと、虹色姫が顔を赤くしてあわてふためいていた。
とにかく、私と虹色姫は出発した。
いやいや、マスクしてこのレベルって……。
絶対に素顔美人でしょ。
アハハ、なんだか楽しくなってきた。
あまり遠くに行けないので、
ペンタグラムシティを適当に探索。
まるで間違い探しのように、キャッキャとはしゃぎながら、虹色姫と遊び倒した。
休憩がてら、甘いホイップ入りのスムージーを飲みながら歓談する。
虹色姫の世界も、みんな親切で毎日が楽しいとのことだ。ニコニコと嬉しそうに笑う虹色姫を見て、向こうの世界のみんながどれだけ彼女を大切に思っているかを察する。
ふと、通りかかった雑貨屋のショーウィンドウに目が留まった。
とっても可愛らしい虹色のアクセサリーを見つけた。七色の石がキラキラ光る小さなもので、服やバッグなんかの小物に取り付けられるタイプのチャームだ。
そうだ。今日の記念に、これをお土産に持って帰ってもらおう。
虹色姫を外で待たせて、私は店ですぐさま虹色姫のアクセサリーを買った。
えへへ、虹色姫喜んでくれるかなあ。
ウキウキしながら店を出る。
ところが
さっきまでそこにいたはずの彼女の姿はどこにたもなかった。
え? まさか迷子?
呆然と立ち尽くす私に、スマホがメールを着信した。
メール内容は……
虹色姫の誘拐を告げるものだった。
続く











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!