第2話

Site1 生徒会学生寮(キッチン・食卓、主人公の部屋)・もう1人の君の名前
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2025/04/04 14:39 更新
その後、生徒会学生寮に入ってすぐに灯部先輩が迎えてくれた。大扉の先には正面に受付カウンターらしきものが設置されており、左右対称に大階段が上へ続いている。天井を見上げると、大きなシャンデリアがかけられていた。
(なまえ)
あなた
す、すげぇ広さと高級感…!
麗志郎
麗志郎
へえ、生徒間では
あまりいい噂は聞かなかったけど、
存外しっかりした施設じゃないか。
修
一応高等部トップの組織なんで!
修
ああ、そうそう。
1年棟は2階でお二人の部屋もそこにあるので、部屋確認しといて下さいね!
(なまえ)
あなた
ありがとうございます!
修
もうちょっとで夕食なんで
なるべく早く来てくださいね〜。
そう言うと、灯部先輩は「やばい、火つけたまま来たんだった」と言いながら、左のフロアの奥にスタコラとかけていった。
麗志郎
麗志郎
じゃあ、僕203号室だから。
麗ちゃんは手前から3番目の部屋らしい。
また後で遊びに行こうかな。

麗ちゃんと別れて自分の部屋…204号室に向かう。
(なまえ)
あなた
てか麗ちゃんとお隣さんじゃん!
(なまえ)
あなた
んー、それにしても204号室って、たしかホテルやマンションにも付けられてない番号だよな…。なんか不吉だな。
(なまえ)
あなた
まさか、「4」だけに
死神なんかに呪われてたりして。
(なまえ)
あなた
ま、まさかね〜
恐る恐る渡された鍵を差して左に回し、ドアノブを持って扉を開ける。
(なまえ)
あなた
あ、でも中は綺麗だ。
一番奥の壁に大きめの窓と水色のカーテン。左側の壁に沿うようにして奥からクローゼットとベット、右側の奥には勉強机が置かれている。床にはカーテンと同色の猫の顔のシルエットを模したカーペットが敷かれていた。
ハンガーラックに、腰に巻いていたブレザーを掛けて、バックは勉強机の横の大きめのバスケットに入れる。
(なまえ)
あなた
ん?これって、灯部先輩から?
勉強机の上にメモが置かれていたので、
手にとって読んでみる。


「新しいお部屋は気に入ってくれたでしょうか?実は、生徒会学生寮には特殊な妖術がかかっていて、それぞれの部屋の主人の性格や好みに合わせてインテリアやデザインが変わるようになってるんですよ。面白いでしょ?お二人の部屋もどうなったか気になるので、もし良ければまた今度お部屋に伺いますね。」
(なまえ)
あなた
へえ、だからこんなに
部屋の雰囲気がしっくりくるのか。
(なまえ)
あなた
そうだ!次の休日に生徒会メンバーの部屋を巡ろっかな。なんか面白そうだし!
僕は「皆の部屋はどんなのだろう」などと想像を膨らませながら、いつも私服で愛用している猫耳フードの付いた赤いパーカーに着替える。
部屋を出てすぐ、バッタリと麗ちゃんとドアの前で会った。
麗志郎
麗志郎
あ、あなた…
なんだろう、俺の気のせいだろうか。麗ちゃんが少し落ち込んでいるように見える。俺はなるべく明るく話しかけた。
(なまえ)
あなた
麗ちゃん!
部屋どんな感じになった?
麗志郎
麗志郎
え!?えっと……、そ、そうそう!部屋まだ段ボール片付いてなくて汚いから、今見せるの恥ずかしいっていうか!
麗ちゃんが慌てて203号室を体で隠すように扉の前に立つ。
(なまえ)
あなた
んえ?そうなの?
麗志郎
麗志郎
ま、また片付いたら招待するから!
(なまえ)
あなた
そっかー、じゃあ楽しみにしてるね!
なんか怪しいけど、これ以上麗ちゃんの気分損ねるのは嫌だしなぁ。無理に押し通るのも良くないし、また今度見せてもらお。
ボルタ
ボルタ
お、あなたと麗志郎じゃん!
1階に向かう階段の踊り場でチョコボー会長とバッタリ出くわした。
(なまえ)
あなた
ボルタ会長、
こんなところで何してたんですか?
ボルタ
ボルタ
修に、花瓶の水を替えてくるように
言われてな。
踊り場にある小さめの窓の傍に、たしかに赤色がかった黄色い花が生けられていた。マリーゴールドだった。
チョコボー会長はもう風呂を済ませてきたのか、髪も下ろして幼子サイズのパジャマを着ていた。
麗志郎
麗志郎
一瞬見えましたけど、お花をじっと見つめてて可愛かったっすよ。
ボルタ
ボルタ
誰がベイビーじゃぁぁぁ!!
麗志郎
麗志郎
いやだから言っとらんて!
すると、下の階の方からカンカンカンという金属音が聞こえた。その直後、階段のすぐ下にひょっこりと灯部先輩が、フライパンとターナーを持って出てきた。
修
皆さん、夕食ですよ〜!
もしかして、さっきの音はフライパンとターナーをぶつけて出した音だったのだろうか。だとしたら結構渋いなぁ。
(なまえ)
あなた
今行きまーす!
階段を降りきったところで麗ちゃんがふと左の方に視線を向ける。
麗志郎
麗志郎
あの、あそこのでっかい扉の先って
どうなってるんですか?
ボルタ
ボルタ
ああ、高等部生徒会が栄えていた頃は、生徒会役員も多かったから食堂として使われてたんだがな。今は必要なくなって、客人を招き入れる応接室となっている。
ボルタ
ボルタ
さ、俺達の食事場所はこっちだ
そう言うと、チョコボー会長は左手に進み、もう開けられていた真紅の扉の先に進む。
部屋に入ってみると、そこは普通の家庭と同じような温かみのある雰囲気のキッチンとリビングルームだった。
ボルタ
ボルタ
俺様達が生徒会に入ってから、修が食料庫をかなりイジってな。今ではこっちで食事をとるようにしてる。
修
いや〜、やっぱボロくて無駄に広い食堂より温かくて衛生的な環境で食事をとらせたくって〜、ボルタ会長に!
ボルタ
ボルタ
いやいや、根本の改造した理由は
玄彗だったろ。
ボルタ
ボルタ
俺様達が入学して生徒会に入ったばかりの頃は、玄彗のやつあの食堂で1人で食ってたらしくてな。修がそれを見かねてこの部屋を改造したんだぜ。
修
別にアイツのためにやったんじゃありませんけど〜?ボルタ会長があんな所で食事とるなんて嫌だったから!それだけですもんねっ!
ボルタ
ボルタ
お前も素直じゃねーな。
(なまえ)
あなた
ところで、鬼頭副会長は
どこにいるんすか?もう夕食でしょ?
灯部先輩にうながされて、カウンターから料理をテーブルに運びながら問う。チョコボー会長はすでにレストランにあるようなお子様用の高い席に座っていた。
ボルタ
ボルタ
んー、アイツマイペースだからな。でも、食事の匂いをヘビ子が嗅ぎつけてるはずだから、もうそろそろ来ると思うぜ。
すると、上からギシギシと階段の段差がきしむ音がする。
ボルタ
ボルタ
お、噂をすれば。
しばらくすると、何者かが廊下の暗闇からぬっと現れ、部屋に入ってきた。
長髪を下ろしており、若干乱れていて、色も黒髪の紫メッシュだ。目元は長い前髪で隠れていて、服装は紫と黒のぶかめのジャージを着ていた。どこかダウナー系の雰囲気をかもし出しているその何者かは、こちらをちらと見てダイニングテーブルの手前の右側の席にストンと座った。
(なまえ)
あなた
……いや、誰すかこの人?
ボルタ
ボルタ
え?玄彗だけど。
麗志郎
麗志郎
は!?
玄彗
玄彗
うるさいなー、急に大声だすなよ。
玄彗
玄彗
あ、ていうかお前らか。
もう1人の俺が言ってた奴らって。
だるそうな声を聞いて更に疑う。
この人が鬼頭副会長?
信じられない。
(なまえ)
あなた
てか髪色とか違くないすか!?
ほんとに鬼頭副会長なの!?
ボルタ
ボルタ
あー、いつもは
白髪の緑メッシュだもんな。
修
こいつ、テキパキしてる学校の時と水妖術使う時は白髪の緑メッシュで、ダラッダラな家にいる時と黒氷妖術使う時は黒髪の紫メッシュなんですよ。
修
つまり二重人格ってやつです
ボルタ
ボルタ
元々の性格は真面目な方だったんだけど、ブラック企業の生徒会で働いてるうちに過労とかの反動でお気楽な人格が出来ちゃったってわけだ。
ボルタ
ボルタ
まあ前世の妖怪の影響も
かなりあるだろうけどな。
修
ほら、伊達眼鏡外してるけど
顔も一致してるだろ?
そう言って、今まで顔の上半分を覆っていた鬼頭副会長(?)の長い前髪を、灯部先輩が後ろからはらりと上にめくる。
麗志郎
麗志郎
わ、ほんとだ!
(なまえ)
あなた
たしかに、いつもみたいに眉間にシワは入ってないけど、顔は一緒だ!
麗志郎
麗志郎
じゃあ、ほんとに鬼頭副会長なんですね
玄彗
玄彗
さっきからそう言ってんじゃん……。
まあ実際はあっちが「鬼頭玄彗」で、
俺が名無しだけどな。
ふわぁ、ねみぃ。
(なまえ)
あなた
なんか説得力が無いな…
鬼頭副会長……いや、学生寮では雰囲気的に玄彗先輩の方がしっくりくるな。俺と麗ちゃんはまだ半信半疑で玄彗先輩をまじまじと見つめている。
すると、玄彗先輩が急にこちらを向いた。
玄彗
玄彗
何か用?
(なまえ)
あなた
あ、えっと…、人格が違うってことは
実質初めまして、なんですかね。
(なまえ)
あなた
俺、瞬目あなたです!
玄彗先輩、1年間だけですけど
よろしくお願いします!
麗志郎
麗志郎
僕は鳥養麗志郎っていいます。
新参者ですが、よろしくお願いします。
玄彗
玄彗
あー、そういう堅いことはいいよ。
色々めんどいし。
あと、俺が出てる時は呼び捨てでもなんとでも呼んでいいよ。タメ口もおっけー。
(なまえ)
あなた
え!?でも、一応先輩ですし…
玄彗
玄彗
学生寮にいるときぐらいリラックスしてぇのよ。あっちの俺が学校で頑張りすぎて、寮に帰って人格が俺に変わったとたん、身体中疲労でやられんの。
玄彗
玄彗
だいじょぶだって。俺は、あっちの俺とは違ってフリーを求めてるから!
玄彗先輩が真顔のまま、
両頬の横でダブルピースしながら言う。
麗志郎
麗志郎
ブ、ブラック企業って恐ろしい…
(なまえ)
あなた
じゃあタメ口でいかせてもらうね!
麗志郎
麗志郎
お前は順応能力がバケモンなんだよっ!
(なまえ)
あなた
ていうか、真面目な方は鬼頭玄彗として、君の名前が無いのって不便じゃないの?
玄彗
玄彗
んー、別に。
玄彗
玄彗
俺はもう1人の俺アイツから作られた偽の人格…、アイツのシャドウサイドだから。
玄彗
玄彗
別に名無しでも気にしな…
(なまえ)
あなた
いやだめだろ!
玄彗
玄彗
え?
(なまえ)
あなた
たとえ君が鬼頭副会長のシャドウサイドでも、君は君で、唯一無二のオリジナルだよ!俺は名前つけたい派!
玄彗
玄彗
いや、でも…
(なまえ)
あなた
「なんとでも呼んでいい」って先に言ったのは君だよ?どんな名前になっても文句言わないでねー♪
玄彗
玄彗
は?ちょ……、おい修。
何このめんどくさい奴。
ついに耐えかねてため息をつきながら灯部先輩に問う。灯部先輩はギャハハハと豪快に笑いながら言った。
修
あなたさん、かなりぶっ飛んでて
おもしれー人だろ?w
ボルタ
ボルタ
こういう奴が、
意外とお前達2人を救うのかもな
玄彗
玄彗
………どうだかな。
(なまえ)
あなた
………よし、決めた!
鬼頭副会長ではない、もう1人の鬼頭副会長に向かって人差し指で指差す。
(なまえ)
あなた
今日から君の名は、ナキリだ!
修
ふむ、「百鬼姫」から「百鬼」をとって、
別の読み方にしたのですね!
麗志郎
麗志郎
へぇ、「百鬼ひゃっき」の他にも「百鬼なきり」って
読み方があるんだ。
ボルタ
ボルタ
ナキリ……うむ、良い名だ。
良かったな、ナキリ。
ナキリ
ナキリ
………悪くないんじゃねぇの
修
とか言って、バッチリアイコンとフキダシ色変えてるじゃないですか〜!
麗志郎
麗志郎
いやめちゃくちゃメタいです!
ボルタ
ボルタ
ほら、ハンバーグ
冷めないうちに食おーぜ!
皆が各自の席について食卓を囲む。
ボルタ
ボルタ
よし、それじゃ…
全員
全員
いただきます!
おまけ、食卓にて。
ナキリ
ナキリ
うまぁっ!✨️
(なまえ)
あなた
なんかまた人格変わってない!?
ボルタ
ボルタ
これは素だ。気にすんな。
ボルタ
ボルタ
うまいもん食べたら
百鬼姫の影響で必然的にこうなる。
ナキリ
ナキリ
修は料理だけは最高だよな!パクパク
修
テメェ「だけは」とは何だ?
「だけは」とは!ヽ(`Д´#)ノ
麗志郎
麗志郎
ハンバーグうめぇ〜

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