第22話

図書室で見つけたモノ
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2024/06/06 11:27
「夏休み終わったけど、切り替えてけよ~」
「は~い」

夏休み終わり、必ず先生たちはこういうだろう。でも、俺らの担任は全然違った。

「榎本先生しっかりしてください!」
「やる気でない…自習じゃだめ?」

「ダメですよ!生徒がどっちか分からないです」
「だって~…」

「相川君何か言ってあげて…春井先生が可哀想に見えてきた」
「…慧」

「うん…?」
「今日頑張ったらよしよししてやるよ、!」

(すげぇ子供に言う、台詞みたいな事言ってしまった…)

「…わかった、約束な」
「ぇ」
「してくれるんだろ?」
「お、おう、!」

「ナイス相川君!」

(よくわからないけど、解決できて良かった…)

「学級委員と何人か、図書館行って資料とってきてくれ」
「榎本っちが取りに行かないの?」
「俺は一寝入り。やる気が出ない」

そう言って、慧は目を閉じてしまった。

「凛君行こうか。」
「おう…」
「相川君、三谷さん俺も手伝うよ」
「本当!?助かる~!」

「檜山…お前良い奴だな」
「そうかな笑」

檜山はそう言われ、クスッと笑っていた。


_ 



「あれ~、資料どこだっけ…」

「俺こっち探すから、相川君あっち探してくれるかな」
「おう。」

俺が頼まれた場所は、古くさい場所だった。
掃除されていないのか、ほこりが沢山出ていた

(きたねぇ…ん?)

俺が目を通したのは 

【 ××高校 3年2組 名簿男子 】
と書かれた、古くさい本のような物だった。

「ここの学校の名前…昔の生徒の名簿か…?」

少しだけ捲ってみたら、見覚えのある名前が見つかった。

【 ××高校 3年2組 2番 榎本慧  】

「慧…?母校だったのか」

顔写真に目が行った。髪型は短髪で頬には絆創膏が貼ってあり、まさにやんちゃ坊って感じの人だった。

【 ○○になってそう!ランキング 】

と言うモノが、最後のページに乗っていて少し眺めてみることに。

「教師になってそう…1位 榎本慧」

俺は、フフッと笑った。

「まじでなってんじゃん、すげぇな」
「…?」

ふと、隣を見たら一枚の紙を見つけた。
写真部が作った新聞だろうか、一人の名前がでかでかと乗っていた。

「陸上部一番選手 榎本慧!ぜひ全国1位を目指してほしい…?」

「んだよこれ…プレッシャーでしかないじゃん…」


「こら、凛君~!!」
「うわ、!?」
「何みてんの!資料見つけたの?」
「…」

「凛君…」
「ごめんって、!!」

俺が棚に手をおいた時だった、
クシャッと紙の音が聞こえた。

「あ、資料だ」
「あった~!!」

三谷は、剥ぎ取るように、プリントをとって走っていった

「騒がしい奴だな…」
「それが三谷さんの良いところなのかもね」

「相川君、俺たちも行こうか」
「おう。」

俺は、新聞を手に取りポッケに隠した。
クシャっと紙の音が聞こえたけど、気にしなかった


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