てひょんとじみんが洗い物をし、リビングを片付け終えた頃、お風呂から出てきたほそくはゆっくりじみんに近付いた。
どんな理由で自分があんな態度をとってしまったのかは薄々分かり始めたほそく。
まだ曖昧な気持ちのまま、どう答えていいのか分からず表情を曇らせてしまった。
そんなほそくの変化を読み取り瞬時に心配するなむじゅん。
なむじゅんにいつもの笑顔を向けるほそく。
同時に、玄関の扉が開き、そくじんの声が聞こえてきた。
そくじんに続き、ゆんぎやじょんぐくも順にゆっくりとリビングへ入ってきた。
いつもの様にじみんはじょんぐくに近付き、表情の暗いじょんぐくの頬を両手で挟み、下から覗き込んだ。
じょんぐくは笑うことなく、そっとじみんの両手首を掴み、自分の頬から手を離させた。
じょんぐくはそういうとすぐ様自身の部屋の方へと向かっていった。
不思議とてひょんの身体はじょんぐくを追うように後ろをつけて行った。
ほそく、なむじゅん、じみんはそくじんとゆんぎの方へと顔を向けると、2人の顔は眉間にしわをよせ辛そうな表情をしていた。
~数時間前~
そくじんは、数時間前に起こった出来事を簡単に3人に話した。
なむじゅんは大きなため息をつき、思っていた言葉を口から漏らす。
・ー・ー・ー・ー・
後をついて行ったてひょんは、部屋に入ろうとするじょんぐくを呼び止めた。
無理したような作り笑顔でてひょんに返事をし、一刻も早く1人になりたそうなじょんぐくは再び部屋の中へと入ろうとする。
今にも消えてしまいそうな、そんなじょんぐくの大きな手をてひょんは小さな両手で必死に掴んだ。
じょんぐくは掴まれた手を離し、部屋の扉をバタンと音を立て閉めてしまった。
閉められた扉の前でてひょんは小さく、じょんぐくの言葉に返事をした。
てひょんが去る足音を扉越しに聞くと、じょんぐくは背で扉を伝って座り込んだ。
・ー・ー・ー・ー・
てひょんは心がチクチクと痛む中、再びリビングへと戻った。リビングへと戻ると、そくじん達は夕飯の支度を始めていた。
皆にじょんぐくの事情を話すと、じみんはそのままじょんぐくの部屋へと走って向かった。
ついて行こうかと思ったが、先程のじょんぐくの表情を思い出し、てひょんは足を踏み出せなかった。
兄たちは顔を見合せ、てひょんへ目を向けると小さなてひょんがいつもよりやけに小さく見えた。
…To Be Continued.
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。