-- この空に太陽が昇ることは殆ど無い 。
此処に光は要らない、だって此処に居る者の殆どは堕ちた者でありワタシが創った眷属だけなのだから。
代わりに空に存在するのは満面に輝く星空。
この星空は光となり、時にワタシですら心を魅了する程に綺麗で…ワタシが此処を創って良かったと思える一つの理由。
蒼光界ではこんな星空…見えないモノ。
たとえワタシが此処を創って完全に悪役として思われてももう今さら光界なんか出来ないのヨ。
-- ワタシの眷属を創ったことも。
善人として潰れてほしくない…なんていう気持ちは絶対に簡単に言ってやらないんだから。
「 … “ トワール ” 、此処に居たんだね。 」
「 …ふん!何の用かしら “ ペイルア ” ? とうとうワタシに文句を言いにでも来たの? 」
「 もー…違うよ。ボクはトワールにそんなこと言う気もないし文句も感じたことなんて無いよ。 」
「 ふん!ウソばっか!恨んでいるクセに!そんな言葉はワタシには通じないわよ! 」
「 …本当に違うよ。今日は…キミと一緒に星空を見たくて来たんだ。…何時も “ 此処 ” に一人でいさせてしまってごめんね。 」
「 …何時もの事よ。今更謝らないで、ワタシは謝罪に興味なんか無いわ。 」
「 …ふふ、そっかぁ。 」
茶髪に白のインナー、蒼と紅の色が存在する両眼は空と隣にいる彼女を見ていた。ひねくれた言い方なのもトワールは素直じゃないから、悪役に染まりきれていないから。
そして隣にいるペイルアを想っているから。
そしてそれを深く理解しているペイルアもまた…トワールの隣に深く座り込み空を見つめ、トワールを見つめた。
白と灰色の二色が混合した眼と髪色は空の背景を深く映し込む。まるで反射されたように二人は星の光に当てられていた。…でもそれを指摘する者は居ない。
今この空間にはたった二人しか居ないのだから。
そして元は…一人だけの空間だったから。
「 …アンタは、絶対に押し潰されるんじゃないわよ。押し潰されたらワタシはアンタを許さない。 」
「 …大丈夫。ボクは今ね、すごく良い天使さんと…ボクを護るって言ってくれた人と出逢えたから。 」
「 ……何よ、アンタまで結局天使に惚れてるの? 」
「 …ほっ、惚れ……っっ……!?!…いや…それは分からないけど……!!…でも、少なくともボクの中でその天使さんは… “ ミカエル ” は大切だよ。 」
「 …ッチ!……幸せになったならさっさとこんな場所から出ていってよ!アンタみたいな善人は此処には合わないわ。ワタシは此処で一人でアンタみたいな幸せ話を話せるくらいの出来事を体験することもなく過ごすから! 」
「 …トワール…… 」
トワールが眷属を作り出したのも最終的には…独りになりたくない、孤独感からと言う理由もある。トワールがこう言うのは…そう言う自分の気持ちよりもペイルアに幸せになってほしいと言う想いを優先したから。
…溜め込み続けてきたアイや本音はいざというときに出てくれない。現に今でさえ…大切な眷属であり、家族でもあるペイルアに暖かい言葉一つ掛けられやしない。
本当は祝福の言葉を掛けたいのに、掛けたいのに、自分が縛っていると言う事実が本当のペイルアの心を少しであっても制限していることに気付いて思わず本音とは全く違う言葉が口に溢れ出してしまって…止められていない。
「 アンタなんてだいっきらい!早く一人勝手に此処から出て行きなさい!そして勝手に二人で生きて!アンタみたいな善人は独りで過ごすこの場には要らないノ!! 」
「 -- っ!違う… “ 私 ” が言いたいのは…!! 」
「 もう良いから!早くアンタは…アンタは…!!……っ…もう…幸せになりなさい!だいっきらい!! 」
「 ……あ、トワール……!! 」
トワールの歪んだ表情はペイルアの心に深く埋め込まれた。生んでくれた母であるトワールを想っているのに…何時もぶつかる。何時もぶつかってお互いがお互いを苦しめてしまう。
「 -- …もう、嫌だなぁ…… 」
疲れた!!(
けど楽しかった…この二人は悪魔と堕神です。
とっても好きなコンビ!












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。