叶Side
パチッ
紅い鳥居
何故か見覚えがあるような場所
忘れちゃいけない場所
シャラン
僕が動くと鈴のような音が鳴った
自分に違和感を感じで
近くにある水溜まりを覗いた
白色の綺麗な着物
帯には鈴が
腰あたりまである長い髪
狐のような耳と
九つの尻尾
九尾の狐なんて存在しない
童話のような物だと思っていた
まさか
自分が九尾の狐になるなんて…笑
自分の見た目なんてどうでも良い。
それよりも彼女は?
僕の愛する、
あなたの下の名前は……?
生きているのか?
いや、生きているはず。
早く会いたい
会いに行かなきゃ…!
僕は走った
神社の入り口 紅い鳥居へ向かって
紅い鳥居をくぐろうとした時
バチッ
見えない壁にぶつかったかのように
弾かれたかのように
紅い鳥居は
僕を通してくれなかった
これじゃあ、僕から彼女の元に行けない。
僕が唯一出来るのは
彼女が来てくれるのを待ち続けること。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!