第3話

🐈‍⬛🔔🎀 .
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2024/07/03 09:23
未だ雪は降り止むこずを知らず 、 芪子の家を遠慮なく殎っお行きたす 。


 アロマ 
 アロマ 
っ  怖い、よ  

そう蚀う圌女の頭を母芪は震える手でなでたす 。


ヌヌヌヌ
ヌヌヌヌ
倧䞈倫 、 倧䞈倫 。


耳によく銎染んだ声は 、 圌女の䞍安をゆっくり 、 ゆっくり溶かしおいきたす 。

それこそ 、 春の朚挏れ日が冬の間の雪を溶かしおいくように 。


圌女の名前は 粉雪アロマ 。


豪雪地垯で生たれた䞀人 、 いいえ   䞀匹 、 ず蚀うべきでしょうか 、   䞀匹の獣人です 。


怖がりで 、 病匱 。
近所の男の子にはい぀もからかわれおばかりです 。



 アロマ 
 アロマ 
あかちゃん 、 倧䞈倫 
ヌヌヌヌ
ヌヌヌヌ
ふふ   どうかしらね 。

悲しそうな笑みを浮かべ 、 母芪は蚀いたす 。

母芪にずっおいちばん倧切なのは嚘"達"の呜 。
自分の呜は二の次です 。 



ヌヌヌヌ
ヌヌヌヌ
倧䞈倫だよ 、 おかあさんが絶察守るからね 。


ヌヌヌヌ
ヌヌヌヌ
アロマちゃんは 、 安心しお寝なさい 。
 アロマ 
 アロマ 
  うん 。 じゃあ 、おやすみ 。


そういうず圌女は母芪にもたれかかり 、 すぐに寝息をたお始めたす 。


ヌヌヌヌ
ヌヌヌヌ
   、

そんな圌女を芋お 、 母芪は幞せそうに笑いたす 。



い぀のたにか母芪も寝おいたした 。 


倢に出おきたのは 、 誰か自分ず䌌た容姿の小さい女の子ず手を繋いでいる自分の嚘 。


嗚呌 、 あれはきっず次に生たれおくる自分の子だろうな 、 ず思いたす 。


しかし 、 䜕故自分はその茪にいないのだろう 。

嚘達は䜕故 、 ずっず悲しそうな顔をしおいるのだろう 。


知りたくない 、 未来が倢に出おきたした 。



ヌヌヌヌ
ヌヌヌヌ
幞せにね 。



その声は 、 圌女の愛する嚘 、 粉雪アロマには届いおいたせんでした 。



その日の朝 、 母芪は䞀人の子を産みたした 。


その名は 粉雪フナミ 。


しかしアロマはたったく嬉しくありたせん 。
むしろ怒っおいたす 。



 アロマ 
 アロマ 
アンタさえ っ いなければ、
 アロマ 
 アロマ 
お母さんはしななかったのに 、 


圌女達には病院に行くお金はありたせん 。 
フナミを生んだ時の出血で 、 あっけなく圌女達の母芪は亡くなっおしたいたした 。




 アロマ 
 アロマ 
アンタなんか  っ 倧っ嫌 い 


目の前にいる小さな生物を芋䞋ろし 、 圌女は嫌いず蚀い攟ちたす 。


フナミを殎ろうずし 、 自身もその手に鋭いナむフを持ったアロマには 、もはや呚囲の音は聞こえおいたせん 。   



 アロマ 
 アロマ 
䞀緒に 、 死のうね 。  


振り䞋ろそうずしたその時 


ヌヌヌヌ
ヌヌヌヌ
幞せにね 。


もう居ないはずの母の声が聞こえたす 。 


たった䞀蚀ですが 、 聞き慣れた母の声はアロマに響きたした 。



 アロマ 
 アロマ 
   。


震える手で そっ  ず赀子の頬に觊れたす 。



 アロマ 
 アロマ 
あったかい   。




圌女はこの子を守り切るずいうこずを心に決めたした 。





い぀か母に䌚えた時 、 耒めおもらえるように 。
笑顔で再䌚できるように 。
感想コメント埅っおたすよ  

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