第214話

自覚[爆豪]
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2026/02/24 12:00 更新



  最近、やけにアイツの事が
  気になって仕方がない。

  意外と危なっかしいとこ、
  案外無理しがちなとことか…


爆豪 勝己
 …ッチ、調子狂うわ 



  不器用にハサミを使ってる時とかも
  俺が手伝ってやりたくなる。


あなた
 …?爆豪どしたの? 
爆豪 勝己
 いや、手伝ってやろうかなって 



  偶然、大量のノートの束を運んでいる
  アイツに出会でくわした。


あなた
 えっ?いやいや大丈夫だよ! 
 こんくらい一人で運べると思うし 



  …こういうとこだ。

  手が滑って足とかに当たったり、
  階段登ってる時に滑ったら…

  考えているだけで口には出せない。


爆豪 勝己
 いや、手伝う 
 どこまで運ぶんだ 
あなた
 あ、えっとA組まで…   
爆豪 勝己
 ん 



  少し強引に、俺はあなたの下の名前の手から
  ノートを半分以上奪った。


あなた
 え、と、取りすぎじゃない?! 
 流石に申し訳ないよ
爆豪 勝己
 いいって言ってんだろ、手伝わせろ 
あなた
 は、はい…   



  あなたの下の名前はすん、と開き直ったように
  歩き出した俺に合わせて歩き出す。


あなた
 えへへ、やっぱり頼り甲斐があるねぇ 
 最近よく手伝ってくれて助かるよ



  へら、と照れくさそうに
  俺のことを見ながらあなたの下の名前は言った。


爆豪 勝己
 …別に 



  こんな事すんのも、お前にだけだ…
  だなんて言う勇気はなかった。


あなた
 最近手伝ってくれるけど…やっぱ私って 
 頼らなかったりする?



  今度は声のトーンを数段落として、
  あなたの下の名前はそう問うてくる。


爆豪 勝己
 んな訳ねェだろ、
 むしろ信頼してるわ 
あなた
 ほ、ほんと?それじゃあ、
 なんか他に理由あったりする? 



  俺はその質問に
  どう答えればいいのか分からず、
  少し時間がかかってしまった。


爆豪 勝己
 俺にもよく分かってねェっていうか 
爆豪 勝己
 すげェお前の事気になるから、 
 どうしてもってか…



  そう、俺にも分からない。

  この感情の名前も、どうしてあなたの下の名前が
  立ち止まって驚いているのかも。


あなた
 そ、それは…    



  俺が首を傾げていると、
  あなたの下の名前は首を振って再び歩き出した。


あなた
 あの…私が聞くことでも
 ないかもしれないんだけど、
 爆豪ってもしかして自覚ない、? 
爆豪 勝己
 あ?自覚…って何のだよ 
あなた
 …あ、ううん!やっぱなんでもない 



  心にモヤモヤを残したまま
  俺らは並んでA組に向かう。





  後日



葉隠 透
 わ〜…爆豪って案外
 そういうの疎いんだぁ〜…!! 
上鳴 電気
 マジかよ爆豪…意外と初心っ 

爆豪 勝己
 はっ倒すぞ、何の話だ 



  俺は突然、
  にやにやとしている二人に話しかけられる。

  何の話かさっぱり分からない。


上鳴 電気
 恋愛だよ恋愛!! 
 最近あなたの下の名前の事気にかけてるっしょ?
爆豪 勝己
 あ"〜、いやまあそれは…   
 危なっかしいからで

上鳴 電気
 いやいやそれ恋っつうもんよ!! 
 うっわマジか爆豪クン自覚なかった〜? 
爆豪 勝己
 ブッ飛ばすぞ!!! 



  ようやく今、
  あの時のあなたの下の名前が言っていた
  「自覚」という質問の意図がわかった。


爆豪 勝己
 俺クソダセェじゃねェかよ 
上鳴 電気
 いやまあいいんじゃね? 
 そゆ時もある!



  アホ面の下っ手くそなフォローに
  俺は手が出そうになるがとりあえずスルーした。


葉隠 透
 まあ、頑張ってね爆豪! 
 私たちは応援してるよ…!! 
上鳴 電気
 リア充になんのは腹立つけどな〜、 
 まあ応援しておくわ!



  これを自覚した今、
  アプローチしないという選択肢はなかった。


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