記事が出てから、
半日で空気は一変した。
楽屋の机の上には、
マネージャーのスマホ。
そこには、止まらない通知。
《M!LK匂わせ炎上》
《太智勇斗の関係性とは》
太智は、
画面を見てから目を伏せた。
( 俺の態度が )
( 誰かを選んだみたいに )
( 見せたんだ )
仁人が言う。
舜太が肩をすくめる。
太智は、
少しだけ迷ってからうなずいた。
( ちゃんと、 )
( 言葉にしよう )
その夜。
《M!LKがライブを開始しました》
画面に映ったのは、
いつもよりまっすぐな顔の5人。
勇斗の声は、
少し低い。
コメントが流れる。
📝📝
《来た…》
《今日のインライ重そう》
《いやだ無理しないで、、》
《苦しまないでみんな》
《説明ある?》
太智は、
画面を見つめてから言った。
一瞬、
コメントの流れが止まる。
📝📝
《悲しそうな顔しないで…》
《誤解?》
《ごめんね》
《つらいよね…》
胸が少し痛む。
太智は、
言葉を選びながら続ける。
画面の向こうで、
コメントがまた流れ出す。
📝📝
《誰も選ばない…?》
《本当に恋があったんだ》
《好きになってたってことなんだ》
《中途半端…》
勇斗が、
隣から言う。
柔太朗が続ける。
仁人が、
まとめるように言った。
太智は、
コメントを読みながら思う。
( ちゃんと )
( 伝えられてるかな )
( それでも、 )
( 全部は伝わらないんだろうな )
ライブが終わった後、
楽屋は静かだった。
太智は、
ぽつりと言う。
舜太が、
少しだけ笑う。
太智は、
深く息を吐く。
( 好きなままでいること )
( 誤解されないようにすること )
( 両立は )
( 簡単じゃない )
でも。
柔太朗が言う。
太智は、
少しだけ笑った。
( 誰も選ばないって )
( 楽な答えじゃない )
( でも )
( 俺は )
( この場所を )
( 失いたくない )
画面の外でも、
画面の中でも。
五人は、
同じ方向を見ていた。

















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。