SNSには、
配信の切り抜きが
いくつも流れたままだった。
《太智”メンバーとの関係性”【セフレ疑惑】》
《M!LKの関係性どうなってるの》
コメント欄は、
真っ二つだった。
📝📝
《正直で好き》
《逃げてるだけだろ》
《5人の空気が優しかった。》
《優柔不断だな》
画面を見ながら、
太智は息を吐く。
( 俺の言葉と行動で )
( こんなに分かれるんだ )
マネージャーが言う。
「否定もあるけど」
「守ろうとしてる人も多いですよ」
「全部は」
「コントロールできません」
太智は、
小さくうなずいた。
( 選ばないって、 )
( 誰かを傷つけない選択だと思ってた )
( でも )
( 誰かを不安にさせる選択でもあるんだ )
スマホを閉じる。
( それでも )
( 嘘だけは言いたくない )
その日の夜。
練習後。
他のメンバーが先に出ていき、
楽屋に残ったのは
太智と勇斗だけだった。
少し沈黙。
勇斗が言う。
太智は、
椅子に座ったまま言う。
勇斗は、
首を振る。
太智は、
少し苦く笑う。
勇斗が聞く。
勇斗は、
少し黙ってから言った。
その言葉に、
胸が詰まる。
そう言いながら、
勇斗は少し笑った。
太智は、
うなずいた。
( 残ってくれる人がいる )
( それだけで、 )
( まだ進める )
部屋に戻って、
電気を消す。
天井だけが、
ぼんやり明るい。
( 俺は )
( なんで選ばないんだろう )
答えは、
もう分かっている。
( 失うのが、怖い )
( でも、それだけじゃない )
誰か1人を特別にした瞬間、
他の時間が、
無駄になる気がした。
笑った時間。
並んだステージ。
ふざけ合った夜。
長かった下積み。
全部。
( あれを )
( ”過去”にしたくない )
太智は、
胸に手を当てる。
( 俺の好きは多分 )
( 不器用で、 )
( 形にできないだけ。 )
( でも )
( 本物だ )
選ばない。
決めない。
それは、
止まることじゃない。
( 俺は、 )
( この場所を選んでる。 )
( 5人でいる今を。 )
スマホを見る。
《勇斗:太智、ちゃんと寝ろ》
《舜太:コーヒー飲んだら寝れなくなった!》
《仁人:お前は馬鹿か》
《柔太朗:太智もみんなもお疲れ様》
ひとつひとつのメッセージ。
太智は、小さく笑った。
( ……選ばなくても )
( ちゃんと、 )
( みんなここにいる )
夜は、
静かに進んでいく。
関係は、
まだ途中。
答えも、
まだ途中。
でも。
選ばないという選択は、
今の太智にとって、
1番正直な道だった。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。