第3話

転校生、4人
42
2026/08/13 13:20 更新








 朝。

 目覚まし時計の音が
 静かな部屋に響いた。
あなた
 ん…… 

 布団の中でもぞもぞと動いて
 枕元のスマートフォンを手に取る。

 画面に表示された時刻を確認して
あなた
 …後5分 

 そのまま布団を頭まで被った。


 5分後。
あなた
 …やばっ! 

 飛び起きた。

 制服に着替えて、髪を整えて
 朝ごはんを口に詰め込む。
あなた
 行ってきます! 

 玄関を飛び出したところで
 ふと足を止めた。

 ー 昨日のことを思い出す。

 白い狐面。
 黒い服。
 そしてダンジョンで自分が一撃で倒した魔物。
あなた
 配信、映ってないよね 

 スマホで軽く検索する。
 すると。

  『 謎の狐面少女
     Sランク級魔物を一撃!? 』
あなた
 映ってるじゃん… 

 頭を抱えた。

 昨日、ちょっと人助けをしただけ。
 それなのに朝からネットは大騒ぎだ。

 けれど
あなた
 まあ…私には関係ないか 

 今日も学校。

 それも
あなた
 転校生、4人だっけ 

 そっちのほうが気になる。
 どんな子たちなんだろう。
 友達になれたらいいな。

 そんなことを考えながら、教室の扉を開けた。
あなた
 おはよー 
♡
 おはよ! 

 いつもの友達に手を振って
 自分の席へ向かう。
 
 すると
__
 今日の転校生、めっちゃ有名人らしいよ! 
あなた
 4人とも? 
__
 うん! 
__
 なんかダンジョン配信者なんだって! 
あなた
 へー 

 興味深そうに話す友達の横で 
 鞄を置く。
あなた
 名前なんていうの? 
__
 えっとねー 

 その瞬間
Teacher
 はーい、席つけー 

 担任が教室に入ってきた。
Teacher
 今日は前に話してた転校生を紹介するぞ 

 教室がざわつく。

 担任が教室の扉を開けた。
Teacher
 入ってこい 

 最初に入ってきたのは、白髪の青年。
 どこか気だるそうな表情で教室を見回す。
Kzh
 葛葉 

 短い自己紹介。
 続いて、褐色肌の青年。
Ibrhm
 イブラヒムです。よろしく 

 その後ろから、明るい笑顔の男
Fw
 不破湊でーす!よろしくお願いしまーす! 

 最後に入って来た青年が
 教室を見渡して軽く笑った。
Kzh
 ローレン・イロアス。よろしく 

 教室中が一瞬、静まり返る。

 そして ー
__
 えっ 
__
 うそ 
__
 せめよんじゃん!!
__
 本物!? 

 一気に騒がしくなった。 
 友達が隣で叫ぶ。
__
 ねぇ!せめよんだよ! 
あなた
 …せめよん? 
__
 知らないの!? 
あなた
 うん 
__
 昨日の配信見てない!? 
あなた
 見てない 

 そんなに有名なのか。

 なんだか申し訳なくなってくる。
 4人はクラスメイトたちに囲まれながら
 順番に質問されていた。

 そんな中。
 葛葉がふと、教室を見渡す。
Kzh
 … 

 昨日の少女を探している。
 当然そんなことを私は知らない。

 すると、不破がこちらを指差した。
Fw
 ねぇ、そこの子! 
あなた
 私? 
Fw
 そうそう! 
あなた
 なに? 
Fw
 俺らのこと知らない? 
あなた
 …? 

 4人の視線が集まる。
 少し考えて
あなた
 ごめん。知らない 
Fw
 マジ!? 

 不破が大げさに驚いた。
 イブラヒムが小さく笑う。
Ibrhm
 まあ、そういう人もいるだろ 

 ローレンは面白そうにこちらを見る。
Lrn
 逆に新鮮だな 

 葛葉だけは何も言わなかった。
 ただ、じっとこちらを見ている。
あなた
 …? 

 なんだろう。
 少しだけ居心地が悪くて
 目を逸らした。
Teacher
 じゃあ席はー 

 担任が座席表を確認する。
Teacher
 ああ、ちょうどそこの後ろが空いてるな 
Kzh
 そこの? 

 振り返る。
 私の後ろの席

 そこに葛葉が鞄を置いた。
Kzh
 よろしく 
あなた
 うん。よろしく 

 それだけ。
 
 本当に、それだけだった。

 ー その日の私は知らなかった。
 昨日、ダンジョンで助けた4人のうち1人が。
 今、私のすぐ後ろの席に座っていることを。
Kzh
 …なあ 

 放課後。

 葛葉が突然、私に声をかけた。
Kzh
 昨日、ダンジョンで ー 
あなた
 ん? 
Kzh
 …いや、なんでもねえ 

 彼は言葉を飲み込んだ。

 昨日の狐面の少女と
 目の前の少女。

 なぜか、ほんの少しだけ
 似ている気がした。

 ー けれど、
 まさか同一人物だなんて。
 そんなこと
 まだ、誰も知らない。





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