ジソンとリノが、朝からバタバタと出かけていった。
「おりこうにしててね〜!」
『帰ったらおやつ倍な』
玄関のドアが閉まる音がして、部屋がしん……と静かになる。
そこに残されたのは、ソファにちょこんと座ったハンクォッカと、床で丸くなったリビット。
🐿️「……いっちゃったね」
ハンクォッカがぽつりとつぶやくと、リビットはぴょこっと耳だけ動かして、そっぽを向いた。
🐰「またジソン、クォッカのことばっかり見てた」
🐿️「え……?」
🐰「リノが髪切ったの、気づいてなかったよ。ジソン」
ハンクォッカは、ちょっとだけうつむいた。
🐿️「でも……ジソンくん、昨日の夜はリノさんのお歌ずっと聞いてたよ。『かっこいいなあ』って」
リビットのしっぽが、ぴくっと動く。
🐰「……ふーん。いいな。ジソン、やさしいし、すぐ笑ってくれるし。たまにアホだけど笑」
🐿️「リノさんだって、静かだけどすごく優しいよ!リビの耳、濡れてたら拭いてあげてたもん!!」
🐰「そ、それは……ちゃんとした世話だし……飼い主なら当たり前!」
リビットはちょっと照れくさそうにくるっと背中を向ける。
ハンクォッカはそっと、隣に座った。
🐿️「さみしいね、ふたりともいないと」
🐰「……うん」
しばらく、何も言わず、ただ並んで座っていた。
☁️午後のこと
2匹はこっそり、ジソンとリノの部屋に入ってみた。
ジソンのベッドには、ふわっと優しい匂いがして、リノの机の上には、ふたりの写真が飾られていた。
🐰「ふたりとも、いつも頑張ってるもんな」
🐿️「……たまには、甘えてくれてもいいのに」
🐰「うん。でもさ、がんばるからこそ、帰ってきたときの“おかえり”が嬉しいんじゃないか?」
ハンクォッカはちょっと考えて、それからリビットの手(?)をちょん、と触った。
🐿️「……じゃあ、帰ってきたらふたりでぎゅーしに行こう‼️」
🐰「うん」
夕暮れ、鍵の音がガチャリと鳴った瞬間——
「ただいまー……って、え、なに!?」
『うわ、2匹で並んで玄関で待ってるとか反則……』
ジソンとリノが声を上げたとき、ハンクォッカとリービットは、ふたりにぎゅうって飛びついた。
🐰🐿️「おかえりっ!!!」
いつもの家。
いつもの声。
でも、今日の「おかえり」は、ちょっとだけ、あったかかった。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。