お久しぶりすぎますね!
リクエストでいただいたものです
そう、現在私たちは仲良く鉄格子の牢屋の中に閉じ込められてる
少し広い牢屋の中にぎゃいぎゃいとそれぞれの言い分が飛び合い響いていく
そう、何があったかというと事は数時間前に遡る
日差しが煌々と地面を照らし、少しじめっとした暑さに程よい風が心地よく吹いてくる天気だった
よく通う商店街で顔見知りの店の若い女性の店員と雑談していた時のこと
どうにも話を聞いていると、最近ここいらで女性の痴漢被害が増えているらしい。しかもお婆さんから子供までの痴漢だという。
どういう性癖してんだろうと、聞くだけで引くその行為。女性たちは相手が天人だからあまり強く言い切れない人が多いらしく、下手に反抗して酷い目に遭うのは避けたいから相手も好き勝手に色んな人を狙っているようだ
おかげでここらでの痴漢被害は何十にもなるらしい
明日は我が身だと、怖がっている店の女性にあなたも気をつけてね。と言われ安心させるように微笑みの表情を浮かべて頷き返した
そんな独り言を呟いているとどこからか、女性の悲鳴が上がる
反射的にその声のした方へと視線を動かし、周りの民衆の目線や騒いでる様子からその女性のところまで駆け出していった。そして、少し進んだ先には女性の手を掴んで無理矢理抱きしめている天人が視界に映る。
周りは誰も助けようとするものはおらず、その中で声を上げて相手の行動を止めるように伝えた
私の声が耳に入ったのか、相手の天人は動きを止め女性も涙を溜めながら目を丸くしてこちらを見つめる
そう言ってる間にも未だに手を離す気のない様子、もうここは強硬手段しかないみたいだ
相手が何か叫んでいるうちに天人の手首を力強く掴み上げ、痛さで力が弱くなっているうちに女性と距離を離して床に転がしておく、女性が倒れないように支え天人から遠ざけると涙を流しながら何度も感謝の言葉を述べてきた
床に転がり鼻息を荒くする相手を見てため息を付かずにはいられない
天人は人間を自分の種族以下に思っている者が多い、全員が全員というわけじゃないが、人間差別がいまだになくならないのはそういうことだ
まぁ、でも今はまだマシなのかもしれないけれど
さてと、これくらいで済んだからよかったけど
なんて息をついて胸を撫で下ろしていると、地面を揺らすような爆音と共に目の前の天人が地にのめり込んでいる
お前の仕業か
のめり込んだのは奴の投げた木刀の柄が見事に頭に命中したからみたいだ
とりあえず木刀を拾って気だるそうに近づいてくるやつに投げ返す
お前察でもないだろ
天人は唸り声を上げながら意識を取り戻すと、目の前の銀時を見て叫び声を上げた
その天人の顔は何かを恐れているような表情だった
銀時を知っている奴なのか、果たして他人の空似か
そんなことも気にせずに依頼のために相手を問い詰めてる銀時
盗難って言ってたけどこの天人好き放題やりすぎだろ
警察は何してんだよ
いつまでも調子の乗った態度を見せる天人に銀時もイラつきはじめている様子だ。
ついに天人に往復ビンタをかます銀時に、周りにいた民衆が注目する
変に視線を浴びて、かなり目立ってしまってる。流石に止めねばと、とりあえず銀時なら声をかけた
突然、かけられた声に反射的に顔を向ける
そこにいたのは真選組の副長、土方十四郎の姿があった
煙草をふかせている男の目的はこの天人らしい
あーあー、またドンパチやりそうな予感がする
やめてくれよ、天人のいざこざがやっと幕閉じたのにコイツらの喧嘩がはじまるなんて
なるほど、土方さんの言ってることは大型把握できた
大型犯罪に関わる組織のボスと繋がりがあるこの天人は真選組にとってはそりゃ重要人だ
埒があかーん!!
そう頭を抱えてると天人は何やらズボンのポケットを探りはじめ、次の瞬間にはその場に煙が充満する。どうやら煙幕を使ったらしい
ったくあの二人が言い争ってるから
くそっ、この煙催涙弾含まれてるか知らないけど目が痛い!
なんとか煙から脱して周りを見渡すと人を押し退けて走って逃げる天人が視界に映った
二人も煙から抜け出し、天人の逃げていく方向を教えるとすぐさまその後ろを追いかけていく
あとは二人に任せるかと離れる背中を見ながら思っていると、ふと何かを踏んだ感触に反応して足元を確認する。天人が落としていったものだろうかと拾い上げると、カラクリで作られたそれは画面のようなものに何者かとの連絡のやりとりが連なっていた
『組織のことがバレた、そいつらを誘き寄せる。指定の場所についたらそいつらを連れ去れ』
『了解』
これは、もしかしてあの天人がさっきやりとりしてたことなのだろうか...だとしたらあの二人がかなり危ない
その機械を懐に仕舞い、私は二人の後を追いかけていった
通行人に聞き回ってようやく二人に追いつくと、今すぐ追うのをやめるように伝える。
しかし、今逃せば次に見つけられる可能性が低くなると言うことを聞いてくれない二人
あー!!ったくこの頑固野郎どもが!証拠となるからくりを懐から取り出そうとした時だった
爆発音と共に爆風に吹き飛ばされる私達
強く体を地面に打ちつけ、痛みが全身に走り、辺りは砂埃が充満して視界が悪くなる
視界が悪くて何も見えないが、数人の足音が聞こえる。
さっき連絡してた奴らか、相手は多分六〜八人くらい視界は悪いがなんとかするしかない
腰にかけた刀を握りしめ警戒していると、砂埃の匂いと共に何やら別の匂いが鼻につく
火薬ではない、化学薬品のようなもの....
なんだ、これ...。
突然の強烈な睡魔に襲われて、こんな状況で瞼が重く閉じてくる
まずい、あの匂いが原因か。なんとか意識を現実に繋いでおこうと頑張るものの...さっきより濃くなる匂いに強制的に意識がシャットアウトしてしまった
まぁ、そして目覚めて冒頭の場所に戻るんだけど
鉄格子で囲われた場所に閉じ込められた私達三人
最悪なのは武器を取られてしまっていたこと
そしてもう一つ最悪なこと
ここまで来て喧嘩すんなよ
しかし、土方さんも部下である沖田総悟が今回の件で先に潜入してたのは初めて知ったらしい
その言葉に目を丸くした。どういうことだ
どうにも聞くに、この場所は天人の船で出ることが厳重らしく一度入った侵入者を外に出させないようにしているらしい。秘密がバレるのを恐れているからだろう
そして侵入者が見つかればこの船の中で処理される。
なんとまぁ、おそろしや
しかもここのボスがこの船を手足のように操っているらしく、操作室とかはなく全てがここのボスによって操作されているとのこと
松陽からもらった大事な刀...壊されでもしてたらまじ【自主規制】して【自主規制】してやろう
このクソガキまじで.....
結局頑張って三人で檻から抜け出した、こんなに金かけた船してんのにピッキングで解除できたことに関して驚きしかなかった。大事なところ緩くてどうするよ
先を行くクソガキの後ろをついていく、どうやら武器が保管されてる場所まで連れていってくれるみたいだ
そう言って彼が足を止めた先にあったのはでかい扉。どうやらこの先に武器が置いてあるみたい
そのことに安心しながら息を吐くと、「そういえば」と声を上げた目の前の沖田
扉の横にあった機械で暗号を打ちながら、何でもないような声色で話すやつにその場にいた三人は固まった
大きな音を立てて開き始める扉。その向こうには数十人の天人。彼らと目が合った瞬間、体から嫌な汗が流れ始めた
飛び交う銃声になんとか攻撃を交わしながら相手の懐まで近づくと、持ち前の体の柔らかさを使って回し蹴りで顔を蹴り上げる
死にはしないが、気絶させる程度の威力だ。相手の戦力を失くすのにちょうどいい
部屋を見渡しながら自分の刀がどこにあるのか探し、近くにいる敵は片っ端から片付けていく
何度か同じことをやっているうちに銃声も鳴り止み伸びた敵があたりに転がっていた。
闘いに参加しても無い奴がひょっこりと顔を出して部屋の中に入ってくると、何も無い壁を触り始めた
ガチっと何かが押し込まれるような音と共に何もなかった壁から箱のようなものが出てくる
もうやばい、この捕まってるって状況でさえストレスなのに、このガキに対する腹立ちで血糖値が...
その後、そのラスボスとやらの場所まで向かっている途中もかなりの数の敵が襲ってきたりと足止めをくらうが、こっちは元攘夷志士と真選組のメンバー、深い傷を負わされることなく突破できた。
そう言って煙草を吹かせる土方さん。かなりの敵の量でこられたのに親玉にはそれくらいでいいんだ。
片腕落としてやるとかもっと過激なこと言うのかと思った
銀時らしいわ
着いた目の前の扉を見上げれば、なんか、ゲームでよく見るボスステージ前の扉...のような既視感を感じた
この先に居ますって自己主張が激しい
そしてまた秋田の暗号解除により重そうな扉が少しずつ開いていく
ガシャンと扉が開ききる音と共に眩しい光が目を刺激する
扉の先にいたのは、あの時の天人...そして
威圧感のある声に、恐ろしい顔の造形をした、父上と呼ばれる。そのラスボス....この恐ろしさどこか見たことあるような
どこからどう見てもプレ○ター似のラスボス
てか息子一つも父親の遺伝子受け継いでないだろ。顔違いすぎる
手に持った....?盗難の依頼のやつだろうか
気になってその親玉の手元を確認してみると
ただの漫画の特装版!!?
なに銀時これのために命張ってたの?買い直せばよくない?買い直して取り返して来ましたっていえば済んだんじゃない?
私が銀時の依頼内容に頭が真っ白になってる間に土方さんが今回の違法の物の所持のことについて問い詰めてる...けど全然頭に入って来ない、前者の奴がインパクト強すぎた
ちゃんとラスボスみたいなこと言ってる...特装版のために盗難したやつが
あくまで気絶させることが目的のため、刀は抜かず鞘ごと打ち込む。簡単に親玉が倒させてくるといいんだけど
地面を踏み込み駆け出しすと、一気に相手との距離を詰めて刀を振り下ろす
しかし、まるで壁に打ち込んだかのような手応えと手に響く痺れに目を丸くした
ならばもう一度、と刀を相手の頭に向かって振り上げた瞬間衝撃波のように体が跳ね飛ばされる
飛ばされた勢いで壁に叩きつけられそうになったが、なんとか体勢を変えて壁を蹴り地面に降りると敵がこちらを見てまるで嘲笑うかのような態度をとって来た
なるほど、さっきのバリアみたいなのが発動した時、敵がこちらに手をかざしてるような様子だった。ということはあのバリアを発生させれるのは最低二つまで、だから四方向から攻撃すれば二つの攻撃は当てることができる...
親玉の周りで騒ぎまくる。あの天人、しかしあの反応を見るからにあの作戦でいけば倒せるということだ
聞き捨てならなさすぎる...ま、女だしねぇ...弱く思われても仕方ないかぁ...ははっ、
「うわぁー」と近づいてくるやつは手に持ったライ○サーバーもどきを乱雑に振り回してやってくる。簡単に避けてやると「舐めやがって」とさらに怒り始めたようで煽りの意味も込めて軽く鼻で笑ってやるとさらに顔を赤くして叫んでくる
相手の手を蹴り上げると、その勢いで武器が離されライ○サーバーは宙を浮く、どうやら蹴り上げられた痛みと離してしまった唯一の武器に意識がいってしまったやつの視線がこちらを向いていないうちに再び体勢を整え、その奴の顔に...
回し蹴りを決め込んだ
白目を向いて地面に転がる天人、コレで一人は片付いた
銀時が木刀を肩に構えたのを合図に、四人それぞれ親玉に向かって走り出した
相手も必死に攻撃を仕掛けてくるが、それを避けられることによってさらに焦りが出て撃ってくる弾が雑になる
四人同時に刀を振り上げると、正面から突っ込んだ私にだけ見えた相手の顔....それはまるで敵わない相手を目の前にした時の顔だった
外の空気を吸い込む私の隣で、取り返した漫画の状態を確認する銀時
しらばっくれやがってこのガキ
そう言って私の隣を歩いてついてくる銀時に、呆れた表情を浮かべて足を軽く蹴る
そんないつもの日常に戻った二人の影が夕暮れ時の歌舞伎町に伸びていくのだった













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!