視界が白けてる、何か叫んでる人がいる、?
音が膜に覆われているみたいに反響していて
時間がゆっくり進んでるような、変な感じがする
あれ、誰だこの人、なんて言ってんだ、
なんて言ってんのか、わかんねぇ
見慣れた深い青の髪の人が走って来て、誰かの手を握った。そして、低く優しい音が響く。
あれ、俺はこの人知ってる、握ってる手は、俺の、?
膜が弾けたように、一気に音が耳に入ってくる。
呼吸が苦しくて、咳をするのがしんどい。
うるさくて、頭がごちゃごちゃして、耳を塞ぐ。
生理的な涙が止まらず、ただひたすらに何かが
怖い
近くで安心できる人の声がして、手から力が抜ける。
両耳に、冷たい布かなにかが触れた瞬間、
鋭い痛みが走り、身体を震わせる。
優しく手が触れて、耳を包まれる。
嫌な音がある程度遮断されて、声だけが耳まで通る。
少し時間が経ってから一つ一つを思い出した。
今日は襲撃予告に予告された当日の5日前で、みんなとは10日間、1回も会っていなかった。
その間みんなを呼び出す事にだけはしたくなかったため、本部からの司令で来てくださった看護師の方、数名に看病していただいていた。
けど、8人と会えないことで知らない内にストレスが溜まっていたのか、今日それが爆発したようで。
看護師さんが本部に連絡したら、ちょうどその時訓練していたロウが途中で切り上げて来てくれたらしい。
成人済みの男が人に会えないストレスでこんなんなるとか、情けないし恥ずかしいし申し訳ない、
1週間後にはまた会える、なんて。
彼らは強く望むがあまり、思い込んでしまっていた。
ヒーローには、明日生きている保証すらないのに。
次回⇒♡ 115












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!