第20話

不良退治
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2025/05/21 15:00 更新
その日はいつも通り午前の授業を受けた。
お昼休みになり、ふぅ……と息を吐く。
……よし、行こうかな。
姫川あなた
ごめんね、皆……ちょっと行かなきゃいけない所があって、先に食堂へ行ってもらえないかな?
いつもお昼休みに入ったらすぐ皆で食堂に向かうため、そう伝える。
急いでいこうとしたけど、しのくんに手を掴まれた。
天城しの
どこ行くの?
天城りゅうが
俺達もついていく!
早乙女ゆき
黙れ!
離れろクソ双子!!
あなたの付き添いは俺だけで十分なんだよ!!
ついてきてくれようとしている3人に、「ごめんね」と謝った。
姫川あなた
先生に話があるだけだから1人で大丈夫だよ……!
すぐに食堂に行くから……!
そう言って、逃げるように教室を出た。
今朝、下見した西館の地下。
走った西館に行き、地下に入る前に立ち止まる。
全身の神経を研ぎ澄ませて、気配を探した。
……あ、もういるみたいだ。
複数人の気配を感じて、間に合ってよかったと胸を撫で下ろす。
……さ、急いで片付けて、食堂に向かおう。
薄暗いから、向こうもはっきりと私の姿は見えていないだろう。
できるだけ足音を立てて、〝現れた〟と気づかせる。
身長でバレないように、木箱のような物を伝えながら歩いた。
向こうが、こっちに気づいたのが手に取るようにわかる。
隠れているつもりだろうけど、バレバレだ。
目を瞑って、神経を尖らせた。
男子生徒(使い回し)
……行け、お前ら!!
その声を合図に、一斉に6人の気配が飛んできた。
目を瞑ったまま、相手が私に近づくのを待つ。
__今だ。
その場にしゃがみ込むと、相手が相打ちをする形でぶつかった。
そして、ダメージを受けているその一瞬の隙に、的確にこぶしを入れる。
両手両足を使って、まずは4人の急所を突いた。
倒れたのを確認し、残りの2人に構える。
目を細めて、相手の顔を確認した。
意図的にボス格の人は残したから、今後どこで会っても目をつけられるように顔を記憶する。
見たことない顔だ……。
まあ、マンモス校だし、まだ入ったばかりだから知っている顔の方が少ないか。
男子生徒(使い回し)
お前、朝比奈じゃねーな……!
誰だ……!
さすがにこの距離で、相手も気づいたらしい。
姫川あなた
誰だっていいでしょう?
私の顔を覚えられるわけにはいかないので、すぐに片をつけないと。
相手の拳が飛んできて、右手で止める。
攻撃がいちいち荒いなぁ……。
適当にケンカして適当に強くなった戦い方だ。
きっとこんなんじゃ、たろさんは倒せないんじゃないかな。
たろさんがどれだけ強いか私は知らないけど……。

この人達ならきっと、睨まれただけで腰を抜かしそう。
そんなことを考えながら、みぞおちひざを入れた。
後ろからももう1人が攻撃を入れてきたので、避けて背中を叩く。
……落ちたかな。
全員の意識がなくなっていることを確認し、ふぅ……と息を吐いた。
食い止められてよかった。
たろさんが来る前に、私は出ていかないとっ……。
後のことは、たろさんに任せよう。
この状態なら、たろさんを袋叩きにするどころではないだろうし、彼らの処分は私が決めることではない。
久しぶりにケンカ……というか、人を殴ったなぁ。
やっぱりあんまり気持ちいいものではないし、ケンカはできるだけしたくない。
そう思いながら、私は急いで食堂へと向かった。
まさか、すべてを__見られていたとも知らずに。

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