それから私たちは毎日夕方に公園でおしゃべりをした。
ドーナツを作ってあげたり、誕生日プレゼントをあげたりもした。
もちろんあまねもお返しをくれた。
そうしているうちにだんだんと、「楽しい」と思えるようになってきた。
まああまねといる時間だけだけど。
───生きていたい。あまねとなら、生きていられる。
そう、私の人生は光が差し込んで行った。
しかし、ある出来事でそれが崩れていってしまった。
それは、ある日学校から帰ってきた日のことだった。
いつも通りの日だった。
その日もあまねに会いに行く予定だった。
.......だけど、
学校から帰ってきてリビングに足を入れた私の目に一番に映ったのは、
血を流して倒れている母と父だった。
何があったのかは分からない。
けれど、身体がとても冷たかったため、既に死んでいることがわかった。
いくらごみで最悪な親でも、突然の死には頭が追いつかなかった。
今は嫌いでも、昔は大好きだった。
昔は私のことを愛してくれていたお父さんとお母さん。
私のために色々買ってくれて、美味しいご飯を作ってくれた。
それは昔のことだけど、やっぱり私はお父さんとお母さんが大好きだった。
それから私は何時間も泣いた。
いつもは公園であまねと喋っているはずの時間も、家で静かに泣いていた。
死体をどうすればいいのか分からない。
警察などに相談するべきなのは分かっているけど、そうなるときっと親戚とかに引き取られることになると思う。
それは嫌だ。
結局私は遺体をそのままにして必要なものを持って家を出た。
学校は無断欠席し、ずっと外で暮らした。
そう、ホームレスみたいに。
あまねが来る時間になった。
遠くから走ってくる声が聞こえる。
聞きなれた声。
その声に私は、「あまね」と返事する。
たぶん、私の感情を読み取ったんだ思う。
これは、言うべきなのか、黙っておくべきなのか。
友達に隠し事はいけない。
そう思って、全部の事を話した。
話終わる頃には私は泣いていた。
悲しみと、怒りと、後悔の感情が頭をぐるぐる回っている。
そう言い残してあまねは家へ帰って行った。
私は、あまねの為にも生きていたかった。
だけど、どうしても立ち直れなかった。
親の死から。
親が死んでしまったら私は生きてる意味がない。
ーでも約束してしまった。
「死ぬ時は一緒」って。
けど、もう───














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。