スっと立ち上がって楽屋から出ようとすると、俺を引き止める声が聞こえた。
え、誰?
こんな声高いメンバーいないけど、
くるりと振り返って声が聞こえた方向を見る。
間違いなく、その声は7人の男たちに囲まれた部屋の隅から聞こえて。
チラリと7人を見ると、そちらも驚いたようで全員が部屋の角の隅を見るという、スタッフさんが見たらとんでもなくシュールな空間が出来上がっていた。
仕方なく、真相を探ろうと7人に近づくとまたもやバッとふっかが振り返り、
そんなに俺に言えないこと…?と少しだけ寂しく思う。
先程聞こえた声が俺の名前を呼んだかと思うと、隠されていたであろう長身の7人の長い足をかき分けるように小さな男の子が飛び出してきた。
それはあまりにも幼い頃の幼馴染にそっくりで。
その子は俺を見た途端、瞳いっぱいに涙を貯めて泣き出して俺の足に飛びついた。
翔太、とは言ったものの、そんなことは有り得るはずもなく、もしかして、なんだけど翔太のか、隠しg━━…?!!
俺の血の気の引いた顔から察したのか、慌ててふっかが止めに入る。
今度は慌てたラウールに目黒が口を抑えられる。
鼻水をズボンに付けられてはかなわないので、ひょいと抱っこをする。
またも驚いたように7人の視線が集まり居心地が悪い。
あれ、人のお子さんを勝手に抱っこはまずい?
ふっかがボソッと何か言ったけど、聞こえなかったし、よく独り言も言うのでスルーした。
照もコクコクと頷く。
ドラマ班とラウールも諦めたかのようにこっくりと頷いた。
いやいやいや、…え??
え、何これドッキリ…??
そんなことが現実で起きるわけないじゃん。
いきなり姿が変わったってこと、?
抱っこしたままの翔太(?)に目線を向けるとパッと目をそらされる。
抱っこは嫌かな、と思って降ろそうとするとぎゅっと肩の服を掴まれて降ろさないでアピールをされた。
この子ほんとに翔太?
全員、真剣な顔で言うので真実味が増してくる。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!