_Syota / side
確かに、可愛い。
俺のタイプだ。
今、なんて?
教育係?
って事はこの子と接点できるじゃん。
ラッキー。
とか思っていた。
いざ会ってみるとそうは行かない。
夢咲さんは本当に俺のタイプだった。
何事にも一生懸命にする姿、すぐ会社に馴染める力、なにより愛嬌が凄い。
今思えば、一目惚れだったんだと思う。
こいつは元カノの奈々子。
別れたては同じ部署で気まずかったが今ではそんな事はない。
こうして話すこともできる。
俺はひそかに思いを寄せている。
それだけで満足できるはずだった。
だが、やっぱりこんな可愛い子を他の男達が放っておくわけがない。
ちらちらと噂が聞こえてくる。
これは積極的に行くしかないな。
夢咲が大きなミスをした時、さりげなく手伝うと不安そうな顔が一気に笑顔に変わり可愛すぎて倒れるかと思った。
ココアも持ってきたけど…飲んでくれたらいいな。
夢咲の入社おめでとう会の時。
いかにも女子って服で来ていていた。
可愛すぎんだろ。
山内がベロベロに酔って爆睡し始めた。
俺たちはいつもの事で慣れているけどやっぱ夢咲はびっくりしていた。
一つ一つの動作がほんと可愛い。
あー、ベタ惚れだな。俺。
これ以上山内と夢咲近づけるわけにも行かないから山内連れて帰る事にした。
すると帰る時、奈々子と夢咲の会話が少し聞こえた。
泣きそうな声で返事をする夢咲の声が聞こえた。
これは…
少しは期待してもいいんだよな…?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。