あなた「だから、____私を振って。」
赤葦「え?」
好きだから、私を振って。
そんな矛盾でありふれた言葉。
でも、この言葉の意味は彼になら伝わると思うんだ。
赤葦「……わかった。」
赤葦「気持ちを伝えてくれてありがとう。桜庭さんが言った通り、俺には好きな人がいるからその気持に応えることはできない。」
だから、赤葦くんは、その矛盾で溢れた言葉を、受け入れた。
あなた「うん、ありがとう。」
……私が振ってッて言ったのにいざ伝えられると胸が痛む。
涙が溢れてきそうになる。
あなた「これからも、友達としてよろしくね?」
赤葦「いいの?」
あなた「もちろん。それがいい。」
赤葦「じゃあ、よろしく。友達として。」
そう言って、赤葦くんは先にカフェから出ていく。
あなた「〜〜っふぅ…。」
込み上げてくるものに気づかないふりをして。
そんなところも彼の優しさだ。
お会計をしようと思ってカバンを取ろうとすると、手があたって落ちてしまったさっき買ったばかりの本。
この本は、片思いしている女の子が主人公のお話。
絶対に叶わないとわかっている恋をして、色んな気持ちに葛藤して。
最後に男の子に言うんだ。
『愛した証に、君の幸せを祈る。』
愛したからできる決断。
好きな人に幸せを願って。
この本の題名は、『ただ一つ、君の幸だけを。』












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。