ハンビンが言うと、あなたは「あぁ、うん。」と
ちょっと言葉に詰まった。
少し気まずそうなあなたの顔を、ハンビンは怪訝そうに見る。
思いもよらないあなたの言葉に、ハンビンの
思考が止まる。
ハンビンがおいてけぼりをくったように言うので、
あなたは慌てて弁解した。
自分が関係者の中に入っていないことに悲しくなる。
急な展開すぎて、頭がうまく働かない。
(もう2度と会えないような言い方。)
そんな言葉を軽く言うあなたにハンビンはショックを受ける。
そんな彼の気持ちも知らずに、あなたは言葉を続ける。
ペコリとお辞儀をするあなた。
(え?これで終わり?)
あまりの事に、あぜんとするハンビン。
そうして練習室のドアを開けようとする。
そのドアを反射的にハンビンが押さえていた。
突然、目の前に来た幼なじみに驚いた様子で
見上げてくるあなた。
自分の影に隠れた、小柄な彼女を見つめるハンビン。
何怒ってるんだ、俺。
止めなきゃと思うのに、彼女を見ていると
想いが溢れ出てきてしまう。
ハンビンの勢いに押されていたあなたが言い返そうとする。
あなたに反論の余地をあたえず、ハンビンが言う。
目の前にいる、あなたを見つめていると自然に
手が彼女の頭に伸びる。
そのままゆっくり、彼女の髪をやさしく撫でた。
ハンビンの幼なじみらしからぬ行動に、あなたの目が
驚きに満ちる。
駄々をこねるようにもう1度言う。
そしてあなたの頬に手を当て、彼女の顎を持ち上げる。
彼女の少し怯えたような目から、目をそらして
キスをした。
唇を離すと、びっくりして少し肩をすくめている
彼女に言った。
彼女が逃げるのが怖くて、肩をつかんでしまう。
自分の声が震えた。
すがるように彼女を抱きしめる。
(なんてかっこ悪くて自分勝手なんだ、俺。
こんな事言ったって困らせるだけなのに。)
最低なことをしていると分かっているのに、
彼女を抱きしめる腕を解くことができなかった。
(俺、お縄になるかも・・・)
どこか冷静な頭でそう思うハンビンであった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。