阿部side
ひたすら階段を登れば、大きな川のあるところまで来た
椅子と机だけ置いて、2人で一息ついた
ふと、めめの横に置いてあるものに気がつく
佐久間side
阿部side
舌の上に、何かモノが乗せられる。
めめは口の中に水を含んで、俺の口に移した
ごめん…って何…?
なんで…?
めめ、何かしたの…?
(トスッ)
後ろから突然、首をトスッと強く攻撃されたような気がした。
俺の意識は、段々途切れて行った
佐久間side
結局、山の中へ来てしまった
階段を登り始めようとした瞬間
頭から血が流れている老人や、青年達が多くいた
触れると、肌は既に冷たくなっていた
よく見たら、さっき見た人達だった。
さっき様子見に来たんだなぁ…。
寒気がする。ビュービューと強風が吹いて、それはまるで 悪い知らせかのように
階段の途中、キーホルダーが落ちていた。
よく見れば紐が途切れている…
これで、ここに阿部ちゃんがいる可能性は高まった
しばらく登ると、隠れ家のような建物を見つけた。
だが、それを見たのも束の間─────
音もなく現れたソレは…
(ドンッッッッ)
鈍い音を奏でながら、俺の頭に直撃させたのだった。
10話 fin.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!