第23話

柱合会議
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2024/07/03 05:34 更新
<胡蝶side>
冨岡さんが蝶屋敷で療養し始めてから3日が経った。
もうすっかり熱は下がり、今日から機能回復訓練に参加する予定だ。
といっても、冨岡さんは柱。
苦戦するのは冨岡さんではなく、冨岡さんの相手をするアオイやカナヲだろう。
こちらとしては、カナヲの訓練になるので嬉しい。
そう思いながら見ていると、やはり冨岡さんに誰も着いていけていない。
思わず吹き出すと、カナヲとアオイに軽く睨まれた。
冨岡義勇
明日は柱合会議か。
胡蝶しのぶ
ダメですよ?
冨岡義勇
まだ何も言っていない。
胡蝶しのぶ
言っていなくとも、その話を出すということは『そういうこと』でしょう?
冨岡義勇
……。
病室でそんなやり取りを交わす。
冨岡さん本人はもう大丈夫だと思っているようだが、まだ体調や心情が万全ではないことを私は知っている。
未だ、夜な夜な悪夢に魘されているし、たまにふらついている。
そんな冨岡さんを柱合会議に出すわけにはいかなかった。
<産屋敷side>
義勇は今日の柱合会議を休むらしい。
先日、過労で倒れてしまい、未だ体調が万全ではないそうだ。
義勇は自分のことよりも他の人のことを優先してしまうから、体調が悪くても、結局無理をして倒れてしまったのだろう。
そんな事を考えながら、私は皆に挨拶をした。
産屋敷耀哉
おはよう、みんな。
今日もいい天気だね。
そう言うと、みんなはそれに返事をしてくれる。
それが、たまらなく嬉しかった。
胡蝶しのぶ
お館様。
報告の前に1つよろしいでしょうか。
産屋敷耀哉
何だい?しのぶ。
胡蝶しのぶ
冨岡さんについてです。
その言葉に、誰もが息を呑んだ。
<胡蝶side>
胡蝶しのぶ
冨岡さんについてです。
私がそう言うと、この場にいた皆が息を呑んだ。
あのお館様でさえも、驚いたような表情をなさっている。
宇髄天元
何か聞き出せたのか!?
聞き出せた、とは人聞きの悪い。
それじゃあまるで、私が無理矢理話させたようじゃないか。
そう思って、小さくため息を吐き、私は話し始めた。
胡蝶しのぶ
やはり、辛くなかったのではなく、「辛い」ということに気が付いていなかったのでは、と予想しています。
冨岡さんは、過去から現在に戻ってきてから、何かキッカケがあったり、目を閉じたりすると、蔦子さんの死に際の出来事がフラッシュバックして、心身共に休めていなかったようです。
そのせいで疲労が溜まり、今回、任務後に倒れられてしまったのだと。
産屋敷耀哉
それは、義勇が言っていたのかい?
胡蝶しのぶ
冨岡さんがおっしゃっていたことをまとめた、私の推測です。
冨岡さんは毎晩、眠ろうと目を閉じてしばらくすると、いつも悪夢に魘されている。
目を覚ましてからも、しばらくその光景が頭から離れないようで、制御しきれない恐怖、嫌悪、憎悪、憤怒、後悔、悲哀などの感情を持て余し、1人で震えていることが多い。
しばらく傍についていてあげると落ち着くが、やはり心配でならない。
そんな冨岡さんが年相応に、いや、それ以上も幼く見えて。
伊黒小芭内
フン。
やはり辛かったのではないか。俺達に何も言わずに強がって。だからあいつは……ネチネチ……。
悲鳴嶼行冥
南無阿弥陀仏…。
煉獄杏寿郎
そうか……。
不死川実弥
………。
それぞれの反応を示す柱達の表情に共通して浮かんでいたのは、申し訳なさと、罪悪感だった。
___これから、貴方への皆さんの態度が変わると良いですね、冨岡さん。
私はこっそり、心の中で冨岡さんにそう語りかけた。

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