背後で ガチャンッ と
扉が閉まる音を聞きながら
会議室を出て、
一歩踏み出した瞬間
声を出して伸びをする。
適当に惚けると
呆れた目を向けながら
ため息をつかれた。
私の躾け方、
そんな悪いっけ?
ライアンが配属された頃、
つまり、彼が新米だった時に
私が教育担当をしたが……
そんな嫌がる事したか…?
と、懐かしい記憶を
脳裏に浮かべる。
お互い黙っていたが、
沈黙を破ったのは
ライアンだった。
分かっているのに惚ける。
心の中で舌打ちをしながら、
顔を顰める。
コツ
コツ、
どう言おうか迷っていたが、
薄暗い廊下に反響しながら
こちらに向かう足音が
聞こえたので黙る。
相手の姿がハッキリと見えた時、
ライアンは顔を顰めながら、
彼の名を呼び、
久しぶりに会った
相変わらず顔が変わらない
零君は、
作り物の胡散臭い笑みを
浮かべながら
こちらを見てきていた。
ジ、 ジ ジ、
頭上にある蛍光灯が、
火花を散らしながら
点滅した。
➢ ➣ ➢ ➣ 𝙽 𝚎 𝚡 𝚝 .













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!