◇◇◇
時を少し遡る。
ちょうど、彰人たちが弁当の材料を買い出しに出ている頃。
天馬家当主は、今日も今日とて彰人を監視するために式を飛ばしていた。
否、毎回青柳冬弥に邪魔されちゃんと確認できたのは一度もないが。
見つけた…あの派手な橙色の髪、彰人だ。
遂に見つ、けた…
見つけた。見つけたんだが…あのみすぼらしい格好をしていた彰人が、誰が見ても綺麗だと言うであろうほどの袴を着て歩いていた。
香菜は、才鬼の見を持っているため式と視覚を共有することぐらいはできる
トトトトッ
◇◇◇
それは、…嬉しいが…
彰人は今、青柳家に嫁いでいる。
もし、彰人の身に何かあればそれはとても心配だ。
だが、俺がどうこう言える話はではない。
ここは普通、「そんなことないよ」とか「俺は君の味方だよ」とか言うところでしょ!?
なんでなんでなんで!?
青柳様も司さんもッッッ
私の方が可愛いし、要領もよくていいでしょ!?
…まぁいいわ。これから分からせてあげる
待ってなさいお兄様
◇◇◇
司の周りに、星の形をした何かが浮いている。
司が使う異能だ。
異能は、本人の感情によって強さが変化することがある。
この時、司は強い怒りから普段より異能が強力になっていた。
戦士として異能を鍛えていた父には全く適わず
いとも簡単に父に縛り上げられてしまった。
俺では、父さんに少しも適わなかった。
彰人…
すまな…
スルスルスル(縄
キツく縛られた縄がスルスルと解けていく
タッタッタッ
◇◇◇











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!