カフェ
アヤト・レオリスSide
俺はダメ元であなたの下の名前(カナ)に強請ってみた
少しでも照れた顔を見たいという俺の悪い部分が顔を見せたからだ
俺だけが意識してるのは何だか癪だからな…
何でコイツは動揺しないんだよ。と思いながらパンケーキを貰った
今更ではあるがコイツの中の俺はどんな存在なのか気になってきた…
俺は少し優越感に浸った
自分があなたの下の名前(カナ)から貰えたという事実に
そう考えると残念だな…
俺はその対象に入ってないということは相当時間が掛かりそうだ…
俺という男をあなたの下の名前(カナ)の中で特別な位置に置かせないと…
メリーゴーランドって……
まぁ、あなたの下の名前(カナ)が楽しめるならいいか
夕方
メリーゴーランドに乗りその後、シューティングゲームに行ったりとあなたの下の名前(カナ)の行きたい
所に行って楽しんだ
そう言ったあなたの下の名前(カナ)を連れて観覧車に乗り頂上に着くまで言葉を交わしていた
観覧車内
あなたの下の名前(カナ)から絶対に聞くことがないと思っていたから動揺してしまった…
そもそも、彼女なんて居たことないし欲しいとも思わない
あなたの下の名前(カナ)以外は……
数秒考えていたがそういう意味だと解釈したみたいだ
コイツも大概だな…
ここでキスができれば良いんだろうけど今のコイツにしても婚約話になるだろうし
そう言って悲しげな表情で外を見るあなたの下の名前(カナ)に触れそうになった
あなたの下の名前(カナ)に触れるのは恋人である奴だけだ
それは俺じゃない…
帰宅
あなたの下の名前(カナ)・シェリルSide
口ではそう言っているけとアヤトの表情は悔しそうな表情をしていた
観覧車を乗り終わった後からずっとこの調子だ
でも、声を掛けるといつもの表情で返事をくれた
隠さなくてもいいのに…
アヤトは呆れた様に溜息をついて言った
アヤトは自分の為じゃなく他人の為に動く癖がある
少しくらい、自分の為に動いてほしい、自分の身体を大切にしてほしい…
帰るときは二人とも何も話さず静かだった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。