第9話

第玖話
40
2024/03/16 02:03
(なまえ)
あなた
弥狐!!
(なまえ)
あなた
……ん?今なんて…
大天狗様
これはこれは…すまぬな狐殿…
烏夜
烏夜
大天狗様!!此奴に頭を下げる必要は…!!
   ガッっと烏夜の頭を掴み地面に叩きつける
烏夜
烏夜
グァッ!!……狐…!貴様!!
弥狐
弥狐
……二度と口など聞けぬようにしてくれよう…
蒼白く冷たい炎を纏った手で烏夜の頭目掛けて手を伸ばす
烏夜
烏夜
……ッ
(なまえ)
あなた
ダメ!!!
        ピタッと手が止まる
烏夜
烏夜
!!
(なまえ)
あなた
ダメよ…やめて弥狐……お願い…
弥狐
弥狐
………おい、大天狗
弥狐
弥狐
『狐のお手付き』だ。
大天狗様
うちの鴉が気づかずすまなかった…
弥狐
弥狐
……さて、帰るぞあなた♪
(なまえ)
あなた
……え、?…う、うん…
弥狐
弥狐
来い、おぼろよ
おぼろ
おぼろ
フォゥ!
      そのまま森の中へ消えていく
他の天狗
恐ろしや…
他の天狗
狐のお手付きじゃ…
他の天狗
狐は信用できん…
烏夜
烏夜
ッ……クソが…
大天狗様
…烏夜よ
烏夜
烏夜
ハッ…なんでございましょう
大天狗様
狐のお手付き……知っているか?
烏夜
烏夜
……いえ…先程から言っている狐のお手付きとは…なんのことなのですか
大天狗様
……『森なる女にはおどろかせ 狐の祟りの付ける 気安く触れば 己にも祟り付き纏ふ 取り殺さるるや はたまた神隠しに会ふや な忘れそ ここは彼奴等の神域   ナワバリなり』とな
烏夜
烏夜
…ど…どういう意味でございましょう…
大天狗様
うむ…この森は昔から我らの領土ではないんじゃよ
大天狗様
借りてるだけじゃ
烏夜
烏夜
…も、もしかして……
大天狗様
……さっきの狐殿からじゃの…
大天狗様
狐殿の神域……つまり縄張りなのじゃ…だから狐殿の気に入ったモノに我らが断りもなく触れれば…祟りが己についてくるとなぁ、昔から言われてるのじゃ…
大天狗様
その祟りを狐のお手付きと言うんじゃ
烏夜
烏夜
……それが私についているというのですね
烏夜
烏夜
……面白い…その狐のお手付きから私は生き残ってみせますよ。大天狗様
(なまえ)
あなた
ねぇ?
弥狐
弥狐
ん?腹でも空いたか?
(なまえ)
あなた
いや……なんで…わかったの?
弥狐
弥狐
たまたま通りかかっただけじゃて〜
(なまえ)
あなた
………そっか…でも、ありがとうね!…ちょっと怖かったから…
殴られたところをそっと撫でて少し苦しそうな顔をする
弥狐
弥狐
………鴉めか。
(なまえ)
あなた
ち、違うわこれは!!…烏夜じゃない………少しコけてぶつけただけだから…
弥狐
弥狐
………
     すると弥狐は急に立ち止まる
(なまえ)
あなた
…?……弥狐?
弥狐
弥狐
……ならばその傷見せてみよ
(なまえ)
あなた
うぇ…?……勝手に治るし…
弥狐
弥狐
傷が残ってたら嫁の貰い手がなくなるぞ
(なまえ)
あなた
う、うるさいわね!!余計なお世話よ!
(なまえ)
あなた
それに………私を…貰う人なんて誰もいないわ
(なまえ)
あなた
私は昔から出来損ないだから…
弥狐
弥狐
…………ほう?
弥狐
弥狐
……あなたよ
(なまえ)
あなた
なによ…
弥狐
弥狐
なら儂はお主の『婿』となろう
(なまえ)
あなた
…………………………………は?
弥狐
弥狐
なんじゃ、婿を知らんのか?婿っていうのは…
(なまえ)
あなた
そのくらいわかってるわよ!!そこじゃなくて…!!………そこじゃなくてさ……///
(なまえ)
あなた
な、なんであんたが…///
弥狐
弥狐
嫌か?
(なまえ)
あなた
嫌とは言ってないじゃん///!!!
(なまえ)
あなた
なんか小っ恥ずかしいし……
弥狐
弥狐
嫌じゃないなら軽く契りでも交わそう…
(なまえ)
あなた
ちょ、近づくなこの…!!…キャァ!?
腰を自分の方に引き寄せ、手を握ると軽くあなたに口付けをする

プリ小説オーディオドラマ