第543話

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2026/03/10 06:57 更新
樹「はあ…お前やっぱ最高だな」

樹は珍しく顔を赤くしながら感嘆した。

メンバー各々が解散し、それはもう可愛い顔をしたあなたは上機嫌に大我とタクシーに乗り込んで行った。
それを見送って素直に帰る気分にはなれなくて。

ちょうどよくこっそりと声をかけてくれた人。







ジェシー「AHAHA!!なあに言ってんだよ!!」







照れ隠しも含めて大きな声で笑うジェシーに、樹も笑う。



ねえねえもう一軒付き合ってよ、という彼の誘いに本当に救われる。
ジェシーの行きつけのバーには、顔の広い彼の知り合いがちらほらいて、先程までさまざま喋って飲んでいたけれど。
最後に落ち着いたのは、カウンターでジェシーと2人。






樹「いや、まじで」


人に悩みを相談ではないし、彼も何も聞かない。
その人となりが、昔から信頼している所以だ。


へへ、なんて言ってジェシーはやっぱり照れている。



樹「…なーんかさあ、」



持っていたグラスのお酒を飲み干して呟く。



樹「6周年じゃん?」
ジェシー「来年ね」
樹「…俺らが目指すとこって、」




6年どころじゃない、結成からこれまで6人で走ってきた。
あなたは自分たちよりももっと長くこの世界を駆け抜けてきた。
姿形は変えても、事務所は変わらずに。


樹は言葉を濁して止まる。




ジェシー「ええ?」

ジェシーがちょっと口元を歪ませて笑って、グラスを傾けた。







ジェシー「俺はー、6人で6人でしかできないことしたい」






ああ、やっぱりこいつだ。

信じてついてきたのは間違いない。







樹「…だよなあ、!!」
ジェシー「うわ!なあんだよ!ちょっとこぼれた!!」



酔いに任せて抱きついたら、大きな身体で受け止めてくれる。
こんな姿を彼女にはとても見せられない。





自分たちがいつでも優先してきた大切なこと。





樹「そう、なんだよなあ、」





同じとは言えないけれど、
何より大事なことは、上原あなたが上原あなたであること。


どこにいようか誰と歌おうが、彼女が彼女らしくいてくれればそれでいい。
自分たちがそうであるように。





樹「…ジェシー愛してるぜ」
ジェシー「EHEHEHEH!!なあんだよー」

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