公式配信前。
久しぶりに5人でdiscordに集まり、会話を交える。
5つのアイコンが並んだ画面を見て、1年前を思い出す。
これから配信がつき、写真公開が始まる。
それが終わったらいよいよ、本当にその時だ。
リスナーさんは悲しむと思う。
.....悲しんでくれるといいな、なんて。
直前になって、改めて実感が湧く。
本当に、卒業を伝えるんだなぁ。
でも。
もう、決めたから。僕は僕の道を歩いていく。
後悔なんてしたくない。
どことなく落ち着きがないまひと。
そりゃあそうだ。落ち着いてなんて居られない。
3人は先に配信に上がって、写真を公開している。
この後に大切なお知らせがあることを分かっていながら、いつも通りに振舞っている3人。
この3人ならどこまでだって走っていけると思う。
じゃあ、俺は?
リスナーに誓って、メンバーに誓って、でも結局騙して。そこにあるのはなんだったのだろうか。
.....今さら、覚悟を変えるつもりは無い。
メンバーは、何も悪くない。
だからこそ、変えられない。
自分で言っておきながら、言いたくない、という気持ちが多い。
でも、2人には2人の道がある。
俺にはそれを無理に止められない。
先程までのわちゃわちゃした雰囲気とは打って変わり、しゆてるもどこか落ち着きが無い。
そりゃあそうだ。
今後の騎士Aを大きく左右する、それだけ大切な話だから。
小さく息を吸い、震えかける声を押えて言葉を発する。
あぁ、遂に言ってしまったんだなぁ。
そんな思いが僕の中を駆け巡る。
本当は最後まで、どこか認めたくないという気持ちがあって。
でも、2人が決めた道を応援すると決めて、今、2人の話を聞いて。
やっぱり、騎士Aは最強だなって思えて。
なら、なら。
好きだから、最強だからこそ、応援しよう、って思えた。
もっともっと、頑張ろうって思えた。
ばぁうの言葉を聞いて、少し息を吐く。
もう後には戻れない。
コメント、同接がいっそう早くなる。
悲しみの声や、心配の声。
1年前のあの日から少しずつ現実味を帯びてきたこと。
もっと悲しみに打ちひしがれるものかと思っていたが案外落ち着けている自分に少し驚く。
だって今は、もう昔の俺じゃないから。
今だけを見ていたって駄目だ。
もっと、もっと先を見て。
好きだからこそ、もっと先に。
4人がそれぞれ話し終わって最後、俺の番になる。
この1年間、たくさん、すごく悩んだ。
どうしたらいいんだろうってなる瞬間も沢山あった。
今年はソロを頑張るべきなのか、そんなことまで考えたこともあった。
でも俺たちはやっぱり、夢を諦めたくない。
止まりたくない。
騎士AはNo.1だって、どんな人にも見せつけてやる。






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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!