放課後、鍵を開けてロゼの家に入ると、
リビングから「はーちゃん、おかえりー!」と弾んだ声が返ってきた。
ソファにはお兄ちゃんだけでなく、何故かLapis、メルト、みかさの子供組3人も勢揃いしてゲームをしている。
相変わらず、ここはどっちの家か分からないくらい、みんな普通に居座っている。
上着を脱ぎながらリビングの椅子に座ると、Lapisがゲームのコントローラーを置いてこちらを振り返った。
その名前に、ロゼだけでなく子供組の3人も「ええっ!?」と一斉に声を上げた。
さすがに同じSTPR所属のグループ『とぅるりぷ』のメンバーだけあって、みんな彼のことをよく知っている。
メルトとみかさが楽しそうに笑う中、Lapisは少しだけ悔しそうな顔をして腕を組んだ。
私のその言葉に、Lapisは「……チッ、まぁアイツが良い奴なのは知ってるけどさ」と、
ぶつぶつ言いながらも少し安心したように笑った。
そんな子供組のやり取りを後ろから見ていたロゼが、
両手を頬に当てて、完全に「後方腕組み保護者面」のハイパー進化版みたいな顔をしている。
めちゃくちゃほっこりした目をしているのが、見なくても分かる。
みかさにクスクスと笑われて、私は少しだけ顔が熱くなる。
口は悪いし、人見知りだし、いつもお兄ちゃんのことは
「くりーむぱん」なんて呼んでうざがってしまうけれど。
こうして学校での出来事を真っ先に話したくなるのは、やっぱりこの場所が、世界で一番安心できるからだ。
私のぶっきらぼうな、でも優しさを込めた言葉に、リビングは今日一番の温かい笑い声に包まれた。
最高の味方たちに見守られながら、5月のデビューに向けた準備は、さらに熱を帯びていく。

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。