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第1話

𝐩𝐫𝐨𝐥𝐨𝐠𝐮𝐞 👔🐕 ͗ ͗
507
2026/05/09 11:40 更新
─髙地優吾 side

髙地 優吾
…はぁ、マジで疲れた。腰、死ぬわ……


深夜、夕焼け三丁目の公園───


残業帰りの俺は自販機の前で伸びをした。


ふと見上げると、皮肉なほど星が綺麗だ。

髙地 優吾
……ん? なんだ、あれ


街灯のすぐ下。


巨大なシルバーのスーツケースの横に、一人の男が力なくうずくまっていた。

髙地 優吾
…おい。大丈夫か、お前。具合でも悪い?


​声をかけると、男はゆっくりと顔を上げた。


街灯に照らされた瞳が、不安げに揺れる。
松村 北斗
……あ。すみません…少し、途方に
暮れていただけです…家を、追い
出されてしまって…
髙地 優吾
…は? 家を?


男は自嘲気味に笑ったが、その指先は寒さで白く震えていた。

松村 北斗
はい……
髙地 優吾
え、それは……なんで?
松村 北斗
…大家さんと、生活習慣のことで……
気づいたら、荷物と一緒に放り出さ
れていました。財布も、スマホも全部
あの部屋の中です。笑えますよね……
髙地 優吾
…マジかよ。宿とか……あ、金ないのか。
身寄りとかは?
松村 北斗
……いません。ずっと一人で生きて
いくと思ってたので。でも、一人は、
やっぱり……寒いです
髙地 優吾
名前……は?
松村 北斗
松村……北斗です


北斗が、じっと俺を見上げてくる。


その瞳は、雨に濡れた仔犬が縋り付いてくるような、形容しがたい熱を帯びていた。
松村 北斗
……あの。厚かましいのは百も承知です。
でも、俺…何でもします。掃除も洗濯も、
……料理だって、死ぬ気で作ります、!
髙地 優吾
……え?
松村 北斗
だから───


『俺を拾ってください』

髙地 優吾
……拾ってって、お前なぁ


​潤んだ瞳で真っ直ぐに見つめられる。


お節介なのは分かってるけど、このまま放置したら、こいつは本当に夜の闇に消えてしまいそうだった。

髙地 優吾
……はぁ゙…分かったよ。ったく
お人好しだな、俺も……
松村 北斗
っ! ……いいんですか!?
髙地 優吾
…お前みたいな顔がいい奴がここで
野宿してたら、三丁目の治安が悪く
なるんだよ。ほら、立てよ。
今日からお前の家、うちな……
松村 北斗
、ありがとうございます。俺、
もう一生、離れませんから
髙地 優吾
……その言い方、やめろ。俺は髙地…な
松村 北斗
こうち……髙地さん……あ!
お荷物、お持ちします
髙地 優吾
いいよ、お前は自分の運べよ
松村 北斗
いや!拾っていただいたからには
あ、拾うっていうのは変ですね…
尽くします。精一杯、尽くします
髙地 優吾
…お前、なんか急にいっぱい
喋り出すようになったな…


これが、俺たちの奇妙な同居生活の始まり。


この時の俺は、この『迷い犬』が想像以上に俺の生活を引っ掻き回すことになるなんて、一ミリも想像していなかった。





─── 𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭 ♡

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