攫われてから1週間ほどがたっていた。
翌日に着いた島ではレイヤと2人で島をまわって必要なな物を揃えた。
不安な気持ちとは裏腹に、横を見ればレイヤは嬉しそうな顔で歩いていた。
1週間の間にあなたを売り飛ばそうと画策するクルーもいたが、あなたの目の前で殺された。
この船に来てからの間で気づいた事もあった。
白ひげ海賊団は血生臭さを感じた事はほとんどなかった。
強さもあるのかもしれないが、無闇にヒトを殺す事がないのだろうと思った。
それに比べてこの船は下りたクルーが船に戻ると確実にと言っていいほど血の匂いがした。
またレイヤも同様だった。
血をつけてあなたの目の前に現れる。
気分が悪くなり食べ物も受け付けない日が続いた。
「お願いだから、その姿で目の前にこないで」
1度だけ泣きながらお願いをしたら、その後からは必ずシャワーを浴びて来てくれるようになった。
あなた自身に怖い事や暴力的なことをすることは決してなかった。
大切にされているのかもしれない…。
そう思っても戻りたいのは1箇所だけ。
「あなた。明日少し大きな街がある島に着く。降りるか?」
隣に座ってワインを飲みながら顔を覗き込まれた。
「え?…うん…」
本当は降りる気にはなれないが、逃げるチャンスがあるかもしれない。
誰かに迷惑がかからないように1人で逃げなければ。
自分のせいで誰かが殺されるのは絶対に嫌だと心に決めた。
明日までの間に色んな準備が必要だった。
翌日、快晴の中島に降り立つとあなたとレイヤをみて誰しもが避けて道を開けた。
一緒に降りようなんて、甘かった…。
この島はレイヤたち海賊団の息がかかった島。
レイヤに逆らい、自分を助けようなんて物好きが鼻から居ない島。
「変な気は起こさない事だ」
考えは全てお見通し…。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!