いるま side
随分と穏やかな日々が続いた。
少し舌っ足らずに俺の名前を呼ぶらんは
頭だけを僅かに動かして嬉しそうに笑った。その笑顔にドキっとする。
話す言葉に合わせてバタバタと手を動かす、ガキみてぇな様子はもうみられない。それどころかぼんやりと眠るような日が増えていた。
僅かにらんが頭を揺らしたのを見て、俺はどの話からしようかと頭ん中をさぐっては選別する。
らんは右腕をゆっくりと動かして俺の手を握った。
何をしようとしているのか、
戸惑う俺の手をらんは震える人差し指でふれた
可動域最小限で済むもんな。不便とか言ってすまん。
…今も迷ってる。
らんの思いを踏みにじることになるくらいなら
このまま抱えきれない思いを少しづつ殺していこう、と
けどなつのエゴをぶつけられたことで、俺のエゴもまた抑えきれなくなりそうで。
しばらくらんの手は止まっていた
…慎重になろうとは思っていた
今まで以上にらんが“大切”になったって________
いつの間にか顔を背けていた俺の右手首をらんが掴んだ
ハッとしてらんを見ると、怒ったような真顔なような
そんな顔をしていた
……To be continued














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。