第63話

5.
621
2025/03/31 06:46 更新
いるま side






















随分と穏やかな日々が続いた。



いるま
いるま
らん
LAN
LAN
……いるま



少し舌っ足らずに俺の名前を呼ぶらんは
頭だけを僅かに動かして嬉しそうに笑った。その笑顔にドキっとする。

話す言葉に合わせてバタバタと手を動かす、ガキみてぇな様子はもうみられない。それどころかぼんやりと眠るような日が増えていた。



いるま
いるま
珍しいな起きてんの
LAN
LAN
…………そ
いるま
いるま
無理して喋らなくていい
いるま
いるま
けどごめん、少し話してもいいか?



僅かにらんが頭を揺らしたのを見て、俺はどの話からしようかと頭ん中をさぐっては選別する。


いるま
いるま
ずっと考えてた
いるま
いるま
でもいくら考えてもわからなかった



らんは右腕をゆっくりと動かして俺の手を握った。
何をしようとしているのか、

戸惑う俺の手をらんは震える人差し指でふれた



LAN
LAN
・-・
な
LAN
LAN
-・-・
に
いるま
いるま
……
いるま
いるま
モールス信号やっぱ役立つな(



可動域最小限で済むもんな。不便とか言ってすまん。



いるま
いるま
俺とらんのことだよ
いるま
いるま
…けど人間ってどうして
正解を選ばないとって思うんだろうな
いるま
いるま
選んだことが“正解”かなんて
いるま
いるま
定められてるわけでもねぇし
自分で好きに捉えられるものなのに
LAN
LAN
…
LAN
LAN
・・- ・-・-・
う ん



…今も迷ってる。

らんの思いを踏みにじることになるくらいなら
このまま抱えきれない思いを少しづつ殺していこう、と

けどなつのエゴをぶつけられたことで、俺のエゴもまた抑えきれなくなりそうで。



いるま
いるま
お前が心配してんのは
いるま
いるま
お前が俺の記憶に大切な人として
居続けて消えないことか?



しばらくらんの手は止まっていた



LAN
LAN
---・ ・・-
そ う
LAN
LAN
・-・・ -・・-・ --・-
か も ね
いるま
いるま
安心しろよ
いるま
いるま
…直ぐに忘れる
いるま
いるま
お前のことなんか



…慎重になろうとは思っていた



いるま
いるま
言っただろ
いるま
いるま
東京ドームでだけ
いるま
いるま
思い出してやるって
いるま
いるま
大丈夫だ
いるま
いるま
…勝手な奴だったって笑い飛ばして
いるま
いるま
次の日からまた走り出す
いるま
いるま
東京ドームまで全力で
いるま
いるま
だから俺らは大丈夫
いるま
いるま
俺も大丈夫
いるま
いるま
大丈夫だから
いるま
いるま
…だから


今まで以上にらんが“大切”になったって________

















いつの間にか顔を背けていた俺の右手首をらんが掴んだ

ハッとしてらんを見ると、怒ったような真顔なような
そんな顔をしていた



LAN
LAN
---・ --- -・・・
そ れ は
LAN
LAN
・・・- -・--・ --・-・ ・-
く る し い
いるま
いるま
え…?
……To be continued

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