いけない、何も聞いてなかった。
柱合会議は、…終わったから、
私、もう戻っていいのかな
なんだろう、呼び止められた
首をかしげて次の言葉を待つ
階級が上がったって有名だから気になったの!
と、話す女の人。
一瞬、頭が真っ白になった。
ここで、言わなきゃいけないのだろうか。
私に、この名前を言う権利なんて、
もう
______あぁ、
どうしよう。
何も言っていないのに話を進めないで。
お願いだから
おねがい………
じゃないと、
自然と目線が下に下がる。
いや、もともと下がってたけど
でも、なんだろう
やっぱり直接言われると
苦しいよ、兄さん
わかってる。兄さんにした事が取り返しのつかないことだってこと、わかってる。
謝りたい、謝りたかった。
でも、全部遅すぎたの
ごめんなさい、全部
私が悪かった
この日、私は
名前を捨てた。
だって、
『もう迷惑をかけたくないから』
プツンと、音がした。
私のなかで何かが切れた。
…切れたのは、もっとずっと前からだったっけ。
もう、全部どうでもよかった。
to be continued












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!