第2話

2話
152
2023/06/18 01:08
糸師冴side





仲介人「お買い上げありがとうございました!」
仲介人ちゅうかいにんの場にそぐわない声の明るさにウンザリし、帰路を辿りながら
ピクリとも表情を動かさないその「狐と猫の亜人」を見た。
…コイツ、瞬きするのか?








今した。良かった。ロボットなのかと思った。冗談抜きで。




服がボロボロだ。ただの布切れと言えるほどに。よくそれだけで隠せているな。

服も買ってやらなければ。
あなたの冴がつけた名前『…?』
目が合った。見れば見るほど光が無い。混沌。深淵。暗黒。陰影。



冴「お前、嫌いな食べ物はあるか。」
あなたの冴がつけた名前『…どうして。』
冴「今からそれ以外を買う。質問に答えろ。あるか。」
あなたの冴がつけた名前『排泄物以外。』
冴「…食い物じゃねぇだろ。」
あなたの冴がつけた名前『食べた事はある。不味かった。吐いたやつも居た。』
当たり前だろ。想像もしたくねぇ。
冴「はぁ…それ以外は。」
あなたの冴がつけた名前『…多分無い。』
冴「分かった。」
…にしてもちいせえな。俺は180だけどこいつは170はないだろ。


スーパーマーケットに着いた。俺は自分の食材とアイツが食べそうなものを探してるが…
冴「お前はさっきから何をやってる。」
あなたの冴がつけた名前『匂い、覚えとこうと思って。何かあった時に。』
食品棚の匂いを嗅いでいるらしい。そのせいで周りに変な目で見られる。
冴「いつでも嗅げるだろうが。帰るぞ。」
あなたの冴がつけた名前『ゔーーー』
文字通り引きずって帰った。

プリ小説オーディオドラマ