第32話

自信を持って
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2021/08/08 14:27





車のエンジン音が聞こえる中

かずさんが 口を開いた




かずさん
かずさん
ところで
紫耀のこと いつから気付いてたの?
(なまえ)
あなた
えっ!?
かずさん
かずさん
手袋の人だぁって
(なまえ)
あなた
それは えっと……
かずさん
かずさん
ふふふ
その感じだと だいぶ前ね?笑
(なまえ)
あなた
うん
黙っててごめんなさい
かずさん
かずさん
やだ! 謝る事じゃないわよ
ただ もっと早く言ってくれれば
良かったのになぁって思っただけ
(なまえ)
あなた
そしたら もっと早く会えてたのに?笑
かずさん
かずさん
そうよ!って えっ!?
(なまえ)
あなた
ふふ
かずくん 絶対 会わせてくれようと
するだろうなぁって……
だから言わなかったの
かずさん
かずさん
どーゆう事?
(なまえ)
あなた
ん〜紫耀くんに会っても 
恥ずかしくない状態で会いたいなって……
仕事で認めてもらって
胸を張って会いたかった
かずさん
かずさん
そぉ
(なまえ)
あなた
うん
でも……





言いかけたところで

赤信号に捕まった




かずさん
かずさん
大丈夫よ!
自信持ちなさい?
約束を守る為に 頑張ってきたんでしょ?





そう言いながら

前を向いたまま

優しく頭を撫でてきた





信号が青に変わり

あなたの頭を撫でていた手は

再びハンドルを握る








(なまえ)
あなた
ピアノを辞めた時から
もう約束は守れないって思ってたの
でも かずくんが
紫耀くん達の担当をするってなった時
頑張って いつか私もって思った
かずさん
かずさん
ずーっと頑張ってきたもんね?
なんか泣けてきちゃう
(なまえ)
あなた
えっ!
危ないからそれはやめて(笑)



笑い声に包まれた車内

かずくんがいてくれて良かった

そう思うと あなたの口から

自然と言葉が溢れた




(なまえ)
あなた
ありがとう
かずさん
かずさん
んっ?
(なまえ)
あなた
あの時 私を助けてくれて
かずさん
かずさん
ふふ
ほっとけなくて お節介しただけよ
はい 着きましたー



車がゆっくりと止まり

かずさんが あなたの方を見る




かずさん
かずさん
さぁっ!
楽しんでらっしゃい!?
(なまえ)
あなた
うん!
ありがとう




お互いの目が潤んでいることに気付き

思わず笑ってしまった





車を降り

『行ってきます』と言うと ドアを閉め

かずさんに手を振り

お店に向かって歩いた



















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