第37話

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2021/02/25 11:55
リカバリーガール
大声が出せない?
リカバリーガール
それは…苦手、とは違うのかい?
リカバリーガール
それとも、何かの病気で?
you🕊
you🕊
違います。
you🕊
you🕊
幼い頃、大声を出したことがなくて、
you🕊
you🕊
成長した今でも、大声が出せないんです
you🕊
you🕊
出せても、喉を痛めてしまいます
リカバリーガール
……それは…
you🕊
you🕊
時々、凄くもどかしくなります
you🕊
you🕊
大声をあげてなにかを伝えたくても、伝えられないんです。
you🕊
you🕊
自分の必死さや、恐怖が、
you🕊
you🕊
何一つ伝わらないんです。
リカバリーガール
……
you🕊
you🕊
悔しくて、仕方がないんです…
リカバリーガールは、静かに聞いてくれた。
どんなに私の声が小さく、か細くても、
聞いてくれていた。
you🕊
you🕊
さっきも、轟くんが何か抱え込んでいるように見えて…
リカバリーガール
あの紅白頭の子かい?
you🕊
you🕊
はい。
you🕊
you🕊
それで、何か声をかけたかったんです。
you🕊
you🕊
何か、少しでも役に立ちたかった。
you🕊
you🕊
なのに、私…
リカバリーガール
声が、出なかったのかい?
you🕊
you🕊
……はい、
you🕊
you🕊
出たけど、咳き込んでしまって、
you🕊
you🕊
逆に心配させてしまいました…
項垂れる私に、リカバリーガールはそっと手を添えた。
リカバリーガール
…大きな声で伝えることが、全てじゃないさね
リカバリーガール
例え小さい声でも、必死になって伝えれば、
リカバリーガール
きっと伝わる。
you🕊
you🕊
そう、でしょうか?
リカバリーガール
少なくとも、私には伝わったよ。
リカバリーガール
こんなに辛そうにしてる女の子の必死の心の叫びが伝わらない人なんて、
リカバリーガール
本当にいるもんかねぇ
私にとって、その言葉は充分過ぎるほどに心を温めてくれた。
you🕊
you🕊
…へへ、私、治療のお手伝いをしに来たのに、
you🕊
you🕊
私が治療されちゃいましたね笑
リカバリーガール
いいのさ、それで
リカバリーガール
傷を負っている人が、他人の傷を治せるはずがないんだから
you🕊
you🕊
…!!
you🕊
you🕊
そう、ですね
you🕊
you🕊
ありがとうございます…




リカバリーガールは、凄い人だと、

実感した瞬間だった。

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