第16話

ルシファー
117
2025/07/10 22:45 更新
激しい激闘の末。
キリト
この剣は元々、ルーリット村で悪魔の木と言われ、村人が200年斧を振っても、斬り倒せなかった大きな木だった。
キリト
その剣の記憶を、お前に流し込んだんだ。
ヴァサゴが悲鳴をあげながら、大きな木に変貌していく。
キリト
STLから出してもらえるまで何年、何十年かかるかはわからないが、なるべく短くなるように祈るんだな。
キリト
いつかこの辺に開拓者の村が出来たら、斧を持った子供たちが、お前を斬り倒してくれるかもしれないぜ……
キリト
システムコール・トランスファー・デュアリビティ・ライトトゥエリア。
その瞬間、周りの騎士たちの傷がまるで何もなかったかのように直っていく。
アスナ
………
キリト
皆、ありがとう。
キリト
皆の気持ちと流してくれた血と涙は、絶対に無駄にしない。
キリト
本当に、ありがとう。
アスナ
キリトくん、皇帝ベクタが、アリスさんを……多分、ミナトくんとシノンがおさえてくれてると思う。
キリト
あぁ、助けに行こう。アスナ。
キリトがアスナを抱き上げる。
そして、空を飛び、アリスが行ったであろう果ての祭壇の方向へ飛ぼうとする。
だがその時。
シグレ(飛竜)
クゥゥゥゥウ!!!
キリト
……!?
キリト
この飛竜は……
アスナ
あ、この子、ミナトくんの飛竜だわ。名前は確かシグレって言ったかしら……
キリト
……ミナトに会いたいのか?
シグレ(飛竜)
キュュュウ。
シグレは頷く。
キリト
……わかった。
キリトがシグレ手をかざし、その姿を幼体にする。
それをアスナが抱き抱える。
キリト
よし、行くぞ!
シグレ(幼体)
キュュュウ……
アスナ
大丈夫よ、シグレちゃん。ミナトくんはきっと無事だから。
???
『キリトくん!桐ヶ谷くん!聞こえるか!?キリトくん!!!』
キリト
え、菊岡さん?システムコンソールもないのにどうして?
菊岡誠二郎
『その説明をしてる暇はない。大変なことになった。時間加速倍率が……やつら、SLAのリミッターを。』
キリト
リミッター?
菊岡誠二郎
『比嘉くんの計算では、こちらがどれだけ早くSTLの切断操作をしても、内部ではその間に、200年は経過してしまう。』
キリト
200!?
菊岡誠二郎
『いいかキリトくん、あと10分だ。それまでにコンソールにたどり着き、自力でログアウトしてくれ。』
菊岡誠二郎
『HPを全損してのログアウトはダメだ。もし、限界加速フェーズに入って死ぬと、全感覚遮断状態で200年過ごすことに。』
キリト
わかった、なんとかコンソールからの脱出を目指してみる。もちろん、アリスも連れていくから、そのつもりで準備しておいてくれ。
菊岡誠二郎
『すまん、だがこの際アリスの確保よりも、君たち2人の脱出を優先してくれ。』
キリト
……わかった。
菊岡誠二郎
『!?なんだって……』
キリト
……?
菊岡誠二郎
『キリトくん!皇帝ベクタが、ミナトの手によって倒された!』
キリト
……なっ!?
菊岡誠二郎
『これで足枷がなくなったと言いたいが、1つおかしい。ミナトくんのフラクトライトが黒く濁っているんだ。』
キリト
黒く濁ってる……
菊岡誠二郎
『とにかくこのままだと、ミナトくんも中で200年過ごしてしまうことになる。なんとしてでも、全員で脱出を目指すんだ。』
キリト
…………わかった。じゃあ10分後にな。菊岡さん。
菊岡誠二郎
『健闘を祈るよ。』
アスナ
キリトくん、菊岡さんから連絡があったの?なにか大変なこと?
キリト
いや、ミナトが皇帝ベクタを倒してくれたことと、10分後に時間加速が再開するから、なるべく急いでくれって話さ。
アスナ
ミナトくんが……
アスナ
……
アスナ
……そうね、いつまでもこんなことしてたら、ミナトくんやアリスさんに悪いもんね。さぁ、行こうキリトくん。
キリト
あぁ、もう一度飛ぶよ。
アリス
ここが、果ての祭壇……
アリス
……
その時、アリスは後ろに気配を感じる。
アリス
……!?
瞬時に振り返ると……
そこにはミナトがいた。
全身傷だらけになって、彼はガブリエルに勝ちきったのだ。
アリス
ミナトッ!(泣)
アリス
こんなにボロボロになってまで……よく……(泣)
だが様子が変だ。
(なまえ)
あなた
………
ニタァ
その時、ミナトの顔に張り付いていたのは、悪魔の笑み。
その顔を見たアリスは、強烈な威圧感に思わずミナトと距離を取る。
アリス
(なんなの…これは……体全体が……このミナトを拒絶している……)
ドス黒いオーラがミナトを包み込む。
晴れた頃、そこにいたのは、到底ミナトとは思えない……
悪魔のような男だった。
ミナト?
ミナト?
………
アリス
(……コイツは……ミナトじゃない!)
アリス
何者だ、貴様ぁぁ!!!
瞬時にアリスが金木犀の剣を抜く。
アリス
エンファンスアーマメント!!!
剣が武装され、アリスが構えを取った。その時だった。
彼ははもう、アリスの目の前にいた。
アリス
……!?
ミナト?
ミナト?
(笑)ッッッエエエエエエ……
彼が金木犀の剣に触れる。
バキ
バキメキ
バリィィィン!!!
なんと、金木犀の剣が崩壊して、塵になり消えていく。
アリス
ッ!!!
ミナト?
ミナト?
(笑)エッヘッッ!!!

殺意に満ちた表情で、アリスを見つめる彼。
ミナト?
ミナト?
(笑)ケヘッ……あぁ、お前がコイツが守りたがってたアリスってやつかぁ……
アリス
コイツ……ミナトのことか?やはり貴様はミナトでは……
ミナト?
ミナト?
(笑)コイツはヌルすぎるんだよぉ。だからなにも守れないし、中途半端な狂気だけが孕んじまった。だから俺が出てきたまでだぁ。
アリス
……貴様は何者だ……
ミナト?
ミナト?
名前かぁ?
ルシファー
ルシファー
(笑)まぁ、ルシファーとでも呼べよ。わかりやすいだろうがぁ。
アリス
(私の金木犀の剣が破壊された……剣の道を生き、剣だけを追及し続けた私ができることは……なにもない……なら、ならせめて、ミナトが戻ってくるように精神的誘導をする。それが私に唯一できること……)
アリス
……貴様の、目的は……
ルシファー
ルシファー
目的ぃ?
ルシファー
ルシファー
(笑)決まってんだろぉ?コイツの心を徹底的に壊して、真の絶望を見せることだよぉ。
ルシファー
ルシファー
手始めに、このアンダーワールドの人間を皆殺ししたら、コイツはどんな絶望の顔をするんだろうなぁ……最ッ高にゾクゾクするぅ……
アリス
……貴様の幻想は、腐りきっているな……
ルシファー
ルシファー
(笑)っていうかさぁ……お前、時間稼いでるだろぉ?バレバレだぞぉ?
アリス
!?
ルシファー
ルシファー
(笑)そうだぁ!お前を殺したら……コイツはもう完全に壊れるだろうなぁ……
そう言ってアリスの髪の毛を掴みあげる。
アリス
う"ぅぅぅッッ!!!
ルシファー
ルシファー
(笑)あっけなく死んでもらっても困るからなぁ……極限まで痛めつけてから殺してやるよぉ……エッヘェ!!
アリス
(お願い、目を覚まして……ミナト……)
ザシュ
ルシファーの掴んでいた腕が切断された。
アリス
………うぅ……あ……
アスナ
アリスさん……無事?
アリス
……ア、スナ……
シグレ(幼体)
クゥゥウ……
アリス
………シグレ?
アリス
………ハッ!
キリト
待たせて悪かったな、アリス。
アリス
………キリト……(泣)
アリス
………お帰りなさい、キリト!
キリト
あぁ、半年間、いろいろと悪かったな。
キリト
後は任せろ……
アスナ
アリスさん、行こう!
アリス
……ええ。
2人は祭壇の方へ走っていく。
キリト
ミナト……じゃ、ないみたいだな。
切断された腕が再生する。
ルシファー
ルシファー
(笑)やっと会えたなぁ、黒の剣士ぃ。
キリト
……ミナトはどうした?
ルシファー
ルシファー
(笑)あの甘ちゃんは、最後の最後……俺の狂気に頼っちまったからなぁ、もう戻れなくなった。
ルシファー
ルシファー
(笑)まぁ、それもこれも早く目を覚まさなかったお前の責任だなぁ……可哀相になぁ……エッヘェ……
キリト
………
ルシファー
ルシファー
(笑)なんだぁ?出す言葉も見つからねぇってかぁ?
キリト
……そうだな……お前の言う通りだ……
キリト
俺が早く目を覚ましていれば、こんなことにはならなかったかも知れないな……
ルシファー
ルシファー
(笑)………
キリト
だがな、それでもわかる。お前はいてはいけない存在だと。
キリト
俺がしっかり、いるべきところに引導を渡してやるよ。そして俺は、ミナトとリアルワールドに帰る!
ルシファー
ルシファー
(笑)いいぜぇ、やってみろよぉ!
キリト
ミナト、待ってろよ。今すぐそこから引きずり出してやる。
かんむり(作者)
かんむり(作者)
これ闇落ちじゃなくて、呪術廻戦の宿儺みたいな感じじゃない?
かんむり(作者)
かんむり(作者)
いわゆる二重人格ってやつ?
かんむり(作者)
かんむり(作者)
まぁこれもこれでいいかぁ。
かんむり(作者)
かんむり(作者)
おつむり。

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