若いってすごいな…
いや私も今は若いか!!
色々あったが、これから本格的に雑用係としての生活が始まるわけだ。
昨夜ここに来るまでに図書館の前を通ったが、あそこから校門までなら範囲は結構狭いな。それこそ生徒たちの授業中にやっていれば部活時間の頃には終わるだろう。
そこそこ時間も残りそうだし、図書館でいくらか本が読めそうだ。
グリムはそう文句を言いながら像の前へと向かって行った。
お、登校してきた生徒らしき少年と会話している。言い合いにもなっていなそうだし、よかったよかった。
さて、私もさっさと掃除を始めてしまおう。
掃除は好きだ。人間に生まれ変わって魔法が使えなくなり数百年ぶりに自分の手で掃除をしたが、綺麗になった時の達成感が桁違いだった。
魔法が使えないと色々不便なこともあるが、やりがいと言う意味ではそれも一概に悪い事とは言えないと思う。
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そうやってリリアと雑談をしながら掃除をしていると、グレートセブンの石像前あたりが少し騒がしくなっている事に気が付いた。
グレートセブンの石像前といえばそう、グリムに掃除を任せた場所である。
目線の先には、黒焦げになるハートの女王の石像。集まる野次馬。その中心に居るグリムと一人の生徒。
…はは、こんなに胃が痛むのは久しぶりだわ。
逃げると言ってもこの距離でリーチの長い鞭から逃げ切れるはずもなく、無様にも二人は鞭で攻撃された。
うわ…なんか可哀想。この人も今多分胃が痛いんだろうな。
これ私、完全にとばっちりでは??
それからはまぁ、ロクなことがなかった。
エースが掃除をサボろうとしたり、それを捕まえるのを手伝ってくれた生徒が人通りの多い場所で大釜を召喚したり、その混乱に乗じて今度はグリムが逃げ出し、それを捕まえるためにお高いシャンデリアを破壊……
そして今、私達は…
閉山してしばらく経つ鉱山に足を運んでいる。
ちなみに言っておくが、私は徹頭徹尾完ッ全にとばっちりである。
8章すでに面白い。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。