くるまside
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夜。
仕事終わりで、
頭の中はまだ現場の音が残ってる。
あの場面。
あなたさんが、
同期らしいスタッフと話してた。
笑ってた。
気を抜いた顔で。
それだけのことなのに、
視線が離れなかった。
——いや、違う。
見てない。
ちゃんと見ないフリをしてた。
それが一番、
自分でもわかるやつだった。
嫉妬じゃない、
って言い聞かせる。
当然だ。
仕事仲間なんだから。
なのに、
胸の奥で何かが引っかかる。
ケムリの言葉が浮かぶ。
……もう、
目立ってるのかもしれない。
最近、
あなたさんの前で
余計なことを言わなくなった。
LINEも、
必要なことだけ。
雑談を削って、
感情が出ないようにしてる。
それが、
正しいと思ってた。
でも今夜は、
それが“逃げ”に見えた。
このまま行けば、
きっと選択肢は二つしかない。
——踏み込むか。
——先に下がるか。
現場を守るなら、
答えは簡単だ。
わかってる。
わかってるからこそ、
まだ決めない。
決めてしまったら、
戻れなくなる。
あなたさんが、
誰と笑っていても、
平気な顔ができるうちは。
……たぶん。
スマホを置く。
今日は、
連絡しない。
それが“正解”だと、
自分に言い聞かせながら。
でももう、
この距離が続かないことだけは、
わかっていた。
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こんにちわ!こんばんわ!
RINNEです🌷
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!