冴子side
1年坊主が忘れていった靴を届けに行ったあの子、あなたちゃんは龍と同い年とは思えない程の落ち着きと大人びた雰囲気。
ありゃ誰もが振り向くべっぴんさんだ。東京なんて来たらモデルスカウトとかされそうだな。てか私だったらする。
冴「いや~私らの役目は終わったな!でも東京はさすがに遠いわぁ!」
でも
なんだろう…大人びた雰囲気の奥に感じるものは。周りにはいないであろうこの空気。
『何故、私を連れて行こうと思ったんです?』
冴「そりゃあ帰りの車が寂しいと思ってさ~!…ってのは建前、かな。」
なんとなくだけど
冴「あんた、な~んか寂しそうだったし。」
『…私が?』
冴「別にあれこれ聞こうとは思わないけど、いつもと違う事して気分転換になっただろ?」
普通の人には出せないような独特の雰囲気を漂わせていたから、きっと何かあるんだろうとは思った。
冴「それと。」
お礼言ってなかったからな。
冴「弟たちの面倒見てくれてありがと。感謝してんだからな!」
『…彼らは元々自分でどうにかしようと、前に進もうとする力はありました。私は手助けしただけなんです。』
お礼なんていらない。そんな風に聞こえたけど、私…龍たちにとっては救いの手が差し伸べられたんだから
冴「受け取れるもんは受け取っておきなって。」
『…そうですね。』
きっと龍たちは知らないであろうあなたちゃんの事。何があったかなんて聞くほど野暮じゃない。
『冴子姐さん。』
冴「んあ?」
『……今日は、連れてきてくれてありがとうございました。』
冴「…おう!またどこでも連れて行ってやるから!」
東京に行く時より、いい顔になってんな。
真っ直ぐ私を見てくれた。
こりゃ、あいつら…というかあの子が惚れるのは納得だな~♪
ほんっと、連れてきてよかった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。