佐久間side
顔をジッと見られ、そう言われた
うん、だってやっと…
ふっかに会えるんだもん
なべさんにも涼太にもやっと会える
はやく帰りたい笑
時間が過ぎるのはあっという間でもう出る時間になっちゃった
はやく帰りたいけど、おじさんとおばさんとまたしばらくお別れは寂しい…
ほんとに向井家には感謝しかない
いつも笑かせてくれて優しくて、第2の親だと勝手に思ってる、って言ったらね「大ちゃんとおんなじこと思ってるで!」って言ってくれたんだ!
ほんとうに大好き…
また駅まで送ってもらって新幹線で帰る
改札前で3人が待っててくれてるんだって!
新幹線では阿部ちゃんとこーじは駅弁を頬張ってて楽しそう笑
俺は、あんまりお腹空いてないんだよね〜
………あれ、、
吐き気がすごい…
俺は急いでお手洗いに入った
気持ち悪い…
吐き気が止まらなくて…ついには嘔吐しちゃって
なにも思い当たりがないんだよね
新幹線揺られて気分悪くなったのかな?
水飲んで水分取ったら少し落ち着いたような気がする
深澤side
もう少しで…さくちゃんに会えるんだ、、
たくさん心配と迷惑かけちゃったから…
でもまずは阿部ちゃんが言ってた通り、思いっきり抱きしめたいな
大丈夫かな…
改札から出てきた3人
さくちゃんは顔色悪いけど、目が合ったらフッと微笑んでくれた
それに思わず俺も笑みが溢れた…笑
さくちゃんは2人に支えられてるのを振り解き、俺に向かって歩み寄ってくれている
俺も…さくちゃんのところへ小走りで行く
どんなことがあっても…
『俺たちの愛は、、決して滅びることはない』
もう少し………
もう少しで……
バタンッ……
もう少しと言うところでさくちゃんが崩れ落ちるように倒れた
とても息苦しそうにしながら、、
でもいつもと違う……
明らかにただの体調不良じゃないよ…
急いでさくちゃんの元に走って抱き寄せた
どうした…どうしたの……?
視点が定まっておらず、胸を押さえて苦しそうに頑張って息をしている感じ…
なにをしたらいいのかも分からないっ……
ただただ声をかけるだけ…
みんな混乱状態のようだ…
何が原因かも分からず、ただ苦しむさくちゃんを見るだけで何も出来ない俺は自分自身に苛立った
再び嘔吐し、みんなはさらにパニックだ
なんで、こんな急に…
俺は数十メートル先にいるある人物と目が合った
な、なんで……なんでお前がっ、、
そいつが勝ち誇ったような様子と『憎しみ』の様子が混じり合ったような笑みを浮かべて俺をずっと見続けている
『あなたは私のもの…』
あいつが言った言葉が、、脳内に響き渡っている
黒いバラ 花言葉
『決して滅びることのない愛』『憎しみ』『あなたはあくまで私のもの』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。