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記憶が何回も何回も駆け巡る。
壊れるくらい、鮮明に私の心をズタズタにしてくる。
何もかも。
何もかもだ。
全てが無惨の思いのままだった。
弄ばれていた。
あいつへの殺意が込み上げてくる。
あいつだけは絶対に許さないッ。
この手でこの手で!!!!!!!
殺してやる____________。
シロツメクサが口から出てきた。
↓これです。
※花言葉→『 復讐 』
聞き覚えのある声が耳に通る。
そうだ。
いつも聞いている。
あの、憎たらしい声だ。
ギロリと睨みつける。
その言葉を聞くや否や、上弦達はスっと後ろに下がって行く。
そして、無惨はゆっくりとだが確かに私の方へと近ずいてきた。
近ずく度に、ズシリと重み、いや、殺意なのか?
私の身体に張り付く。
呼吸が落ち着き、四つん這いながらも無惨を睨みつける。
勿論、彼は怖気ずく事無く、
1歩、また1歩と近ずいてくる。
分かる。今までは
彼は、私を大切に扱っていた。
私がどれほど失敗しても
怒らずただ、優しく 「 次頑張ればいい 」と頭を撫でてくれた。
そんな彼。今は別人だ。
否、これが本当の彼の姿なのだろう。
私が動こうものならば足を切り裂くつもりでいるだろう。
私が攻撃しようものならば喉元でもかっ切るつもりでいるだろう。
分かる。彼は今、私を嘲笑っている。
記憶を思い出した私。
私の行動を、私の言葉を、私の態度を、
全てを全てにおいて私を嘲笑っている。
間違いに気づいた。
過ちに気づいた。
その元凶。
そんな奴が私の “今”を見て心の底から面白いのだろう。
炎華 とは
花の形の炎をいくつも制作することが出来る。
凄い熱気を放っている。
触れるまた近くにいるだけで焼結する。
するりと攻撃を交し
目の前に立ちはだかった。
【 怖い 】
そんな感情が芽生えた。
あの時と同じだ。
あの時とッッッ、、、同じじゃないかぁ!!!!
涙が止まらない。
死ぬのが怖くて泣いてるんじゃない。
あいつにまた、負けるのが、
あいつにまた、屈するのが、
あいつにまた、繰り返されるのが、、、、嫌なんだ。
スノードロップが口から出てきた。
↓↓これです
花言葉→『 あなたの死を望みます 』
はは、、、どうやらハモったらしい。
ふ、貴方が死んでくれたらどんなに嬉しい事か。
そう言うと、
グイッと顔を引っ張られる。
身体が痺れて動かない。
どうやら、藤の花の毒をいつの間にか私に注入していたらしい。
何を言ってるの?
思考が数秒停止する。
が、理解するのはもっと速かった。
言葉の意味が分かった。
どうにかして逃げようとするも
身体は動かないし顔を無惨にわしずかみにされている以上逃げられない。
【 怖い 】
死ぬ覚悟はしていた。
死ぬのは怖くない。
だって私は計り知れない程の過ちを犯した。
死んで詫び切れるものでもないが。
だから、“ 死ぬ覚悟 ” は出来ていた。
だけど、、また。
繰り返す、同じ過ちを犯す、
“ 死ねない覚悟 ” は出来ていない。
また、同じことを繰り返すそんな勇気はない。
そんな事をしたら記憶が戻れば壊れてしまう。
もう何も、失いたくないのだ。
無惨は左手を切り私の口に血を流してきた。
飲みたくない、嫌だ、
そう思っても、右手で顔をわしずかみにさてる以上
血は必然的に口の中を通る。
また、あの感覚だ。
まただ。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。