小さい頃は、純粋にバレーが上手い兄と



練習できることが嬉しかった。





でも今は違う。

中2ぐらいから、兄は変わっていった。


私がバレーの練習をしていると、いつも


嫌な言い方で指摘してくる。



でも、兄の方が上手いから言い返すことなんてできない。


だから私はいつも流していた。


学校でもあまり話さないようにしていた。



なのに…

中学3年生の春、クラス替えで同じになってしまった。



普通双子って分けるもんでしょ、


先公は何考えてんのよ…

この子は古畑　朱音（ふるはた　あかね）。


私の唯一の親友だ。

中学に入ってから出会った子で、最初は

この見た目(薄茶色のセミロング、耳にピアス)のせいで少し怖かった。


でも、話してみると意外にいい奴で、今じゃこうして

なんでも話せる仲になっている。

私達は廊下のところで別れて、


それぞれの教室へ向かった。



ｶﾞﾗｶﾞﾗ…

私は別に同級生達と仲が悪いわけでもなく、


こうして毎朝気楽に挨拶を交わす。

私は自分の名前が貼ってある机を見つけると、


どさっとカバンを置いて、その上にもたれかかった。



そんな時目に止まったのが、隣の席の名前。

そこには『国見英』と書かれた名札が貼ってあった。


国見って確か、飛雄（あいつ）と同じ男バレのセンター分けの人。


今まで同じクラスになったことはない。

ということは今日がほぼ初対面。


初対面が隣の席ってどういうことやねん。


え何、今年のクラス替えとか座席割り犬が決めたの？

ってかもうすぐでHR始まる、あいつ今日朝練あるって

言ってたし…ってことはもうすぐで来る！？


どどどどうしよう、まずどうやって挨拶しよう、

おはよう？これからよろしく？初めまして？？




…と頭の中がぐるぐるとして混乱していると、

視線の先の椅子がガタッと引かれた。


そして、そこに誰かが座った。

背の高い、センター分けの人…

ま、間違いない、この人が国見英…


私の隣の席の人…

お、思ったより顔整ってる。

気だるそうな感じ…(失礼)

この人本当に運動部入ってるのかな…？

ま、まずい…つい見過ぎてしまった…！

なんだ、意外といい人(失礼)

うわ、あいつすっごいこっち見てくる…



怖っ((

ｶﾞﾗｶﾞﾗ…

私があいつと離れられるまで後一年…


絶対無事に乗り越えてやる…