第24話

大人の階段
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2026/02/24 09:00 更新
一瞬で蘇枋と鹿沼の位置が変わった。
楡井秋彦
楡井秋彦
えっと...い...今、何が起こったんでしょう?
篭手切江
篭手切江
さぁ?ただ、あの動きから察するに何かしらの
武術を習っているのかもしれませんね
(なまえ)
あなた
凄い、手品みたい!
桜遥
桜遥
...オレだってあのくらいできる
(なまえ)
あなた
いや桜君の戦闘スタイルには合わないでしょ
桜遥
桜遥
できるし
(なまえ)
あなた
意地張らないの。ほら、試合見るよ
ぶすくれた桜の頭を軽く叩いて、ステージの上を見る。涼しい顔で構えている蘇枋とは対照的に、鹿沼は戸惑いと困惑を色濃く浮かべている。
ダッと鹿沼が勢いよく走り出し、蘇枋に殴りかかる。
日光一文字
日光一文字
「かわせないほど早く打てば当たる」か...安直だな
日光が言った通り安直な鹿沼の策は見事に見破られ、手首を掴まれた鹿沼はそのままぐるりと回転してステージに背中を強打した。
(なまえ)
あなた
おお...
鹿沼稔
がはっ
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
ふふふ。派手に転んだね
おちょくられた鹿沼の顔が羞恥で真っ赤に染まる。
鹿沼稔
こんのっ
起き上がり様に蘇枋のスラックスを掴むが、
(なまえ)
あなた
器用に足を使って勢いよくぶっ飛ばされた。
鹿沼稔
がっ...
(なまえ)
あなた
タコみたいだね
楡井秋彦
楡井秋彦
なるほど、その表現がありましたか!
あなたの結の表現を拾ってメモ帳に書き付ける楡井を横目に見たあなたの結の耳に、蘇枋の声が入ってきた。
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
君に質問...
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
“大人になるのに必要なもの”何だと思う?
(なまえ)
あなた
“大人になるのに必要なもの”...?
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
せっかくだし、あなたの結ちゃんも考えてみてよ。
制限時間はオレの試合が終わるまで
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
ヒントは、高架下での事を思い出せば見つかるよ
(なまえ)
あなた
何で巻き込むの?
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
いいからいいから。ほら、シンキングタイムスタートだよ
鹿沼稔
ケンカ中にいちゃついてんじゃねぇ!
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
うるさーい
起き上がって蘇枋に掴みかかろうとした鹿沼をまたいなす。
楡井秋彦
楡井秋彦
す...凄い...相手が勝手に転んでるみたいだ...
(なまえ)
あなた
(大人になるのに必要なもの...?教養?実力?)
梅宮一
梅宮一
隼瀬ー。戻ってこーい
柊登馬
柊登馬
そっとしといてやれや
梅宮と柊の会話も、ステージ上に飛んでいく獅子頭連メンバーのヤジも遠くに聞こえる。
(なまえ)
あなた
(私の事大人だって言ってたよね?あの時蘇枋君何て言ってたっけ...?)
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
君は自分の足でしっかり立てる。強くてカッコいい、大人な子だ
思い出したらとたんに顔が熱くなった。
(なまえ)
あなた
(いやいや!今はそんなこと考えてる場合じゃないから!!)
(なまえ)
あなた
(自分の足でしっかり立てる...つまり自立?
自律?でも何か違う気がしないでもない...)
桜遥
桜遥
...お前ケンカ見ろよ
日光一文字
日光一文字
黙れ野良猫
桜遥
桜遥
何だよ野良猫って!
あなたの結が蘇枋の「大人になるために必要なものクイズ」の答えを探してぐるぐる考え込んでいる間に、鹿沼は更なる恥辱を味わっていた。
mob
mob
バカヤロー!!
mob
mob
まじめにやれー!!
mob
mob
何遊ばれてんだ!!
mob
mob
ふざけんなー鹿沼ぁ!!
mob
mob
テメェなめてんのかぁ!!
好き勝手な罵倒に顔を真っ赤にしながら、鹿沼は目の前でニコニコと聖人君子のように微笑んでいる蘇枋を見上げた。
押しても引いても掴んでも、一瞬でいなされる。
そこまで言うならお前らがやれ。と声を大にして叫びたい。
鹿沼稔
(くそっくそっくそっ...!!)
梅宮一
梅宮一
あはは。ただの優しいやつじゃなかったな
篭手切江
篭手切江
いや、優しさの欠片もありませんよ...
あんなの見せ物じゃないですか
楡井秋彦
楡井秋彦
え?
篭手切江
篭手切江
格下の相手を生かさず殺さず弄ぶ...永遠に差を突き付けられるなんて...
篭手切江
篭手切江
まさに生き地獄でしょう
日光一文字
日光一文字
俺が相手なら一思いに殺してほしいな。ああなったらの話だが
楡井秋彦
楡井秋彦
な...なるほど...確かにえぐい...
鹿沼を延々と弄んでいる蘇枋の姿は、聖人の皮を被った悪魔だ。昨日のひょうきんで優しい少年は見る影もない。
柊登馬
柊登馬
まぁ...あいつも獅子頭連の連中を見て思う所があったんだろう
柊登馬
柊登馬
ここまで感情的になるのは意外だったが...
梅宮一
梅宮一
そこはほら、あれじゃね?
梅宮一
梅宮一
近くにいるやつらに引っ張られた...みたいな
試合に出る前、桜とあなたの結にそれぞれ抱負を話していた姿が全員の脳裏に思い浮かんだ。
桜遥
桜遥
なぁ...
楡井秋彦
楡井秋彦
はい
桜遥
桜遥
どうやったら本気のあいつと手合わせできるかね...?
楡井秋彦
楡井秋彦
え?何で?
篭手切江
篭手切江
ブレませんね
ズシャッと鹿沼がバランスを崩して転んだ時、あなたの結の脳内に閃くものがあった。
(なまえ)
あなた
あ...わかったかも
高架下で十亀を止めた時、あなたの結が咄嗟に考えた事が答えのような気がした。
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
そろそろ、答えわかってきたんじゃない?
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
今、君が考えて...
鹿沼稔
...い...
(なまえ)
あなた
ん?様子が...
鹿沼稔
...い...ない...あり...い...あり...
鹿沼稔
ありえない!!ありえない!!
鹿沼稔
そんなの...ありえない!!
錯乱した鹿沼が恐怖に染まった顔で蘇枋に殴りかかる。
(なまえ)
あなた
蘇枋君!!
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
心配ご無用
鹿沼を迎え撃った蘇枋の蹴りは、風圧で鹿沼の動きを止めた。
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
今、君が考えてる事...当ててあげようか?
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
君が嘲笑った人間に、君自身が重なるイメージ...
(なまえ)
あなた
(それが質問の答え...大人になるのに必要なもの...)
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
想像力だよ(同時)
(なまえ)
あなた
想像力だ!(同時)
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
そう、大正解!あなたの結ちゃんは賢いね!
ステージ上からまるでマジシャンのようにあなたの結に向かって拍手をする蘇枋が、そのまま固定の笑顔で鹿沼を振り返った。
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
さあ、あなたの結ちゃんと違って君はまだ
上ってる途中だ。忘れない内に次に行こう!
鹿沼稔
!?
両手を広げて満面の笑顔で、蘇枋は鹿沼にまるで勉強を教える教師のような口調で言った。
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
その想像力を強固なものにするために必要なものって何だと思う?
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
それはね...想像が現実になる事
(なまえ)
あなた
物凄い笑顔で悪魔みたいな事言うね...
日光一文字
日光一文字
うちにも似たようなのが居なかったか?
三日月宗近
三日月宗近
←似たようなの
髭切
髭切
←似たようなの
一文字則宗
一文字則宗
←似たようなの
にっかり青江
にっかり青江
←似たようなの
(なまえ)
あなた
あー...ね
あなたの結が頷いたのと同じタイミングで拳を構えた蘇枋。
鹿沼稔
ま...っ、待...っ
十亀条
十亀条
やめやめぇ
十亀条
十亀条
もういいわぁ
(なまえ)
あなた
十亀さん...?
十亀条
十亀条
眼帯君も悪いけど下りてくれる?
兎耳山丁子
兎耳山丁子
あれ?終わったの?
寝ていたらしい兎耳山がキョロキョロ辺りを見る。その仕草で、あなたの結には展開が読めた。
鹿沼稔
あ...い...いや...何で...
十亀条
十亀条
これ以上、恥かかせないでよぉ
自分と対等に周囲を見ていない人間が、「要らない」と判断したものをどう扱うか。
十亀条
十亀条
いや...恥にはならないのかぁ...
(なまえ)
あなた
(ああ...嫌だな...)
今まで散々、見てきた。
十亀条
十亀条
もう仲間じゃないしぃ
心がひび割れる音がした。
(なまえ)
あなた
また、切り捨てられてる
ゴミの分別をするかのように淡々と、「要るもの」と「要らないもの」に仕分けされる、心も体もあるもの達。
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
大人になるという事は、人の思いに寄り添えるという事だ
“私”はそれを、いつだって見ているだけ。
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
それには“想像力”と“経験”が要る
違う。違うよ、蘇枋君。
私は大人なんかじゃない。
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
よかったね
ただ、私は...
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
階段、一段くらいは上れたんじゃない?
(なまえ)
あなた
臆病なだけだよ...
ステージから堂々と下りる蘇枋の姿を見られず、最後には膝に顔を伏せてしまった事が、いい証拠だ。
❤️×7でNEXT
20:00にとうらぶの新作を投下します。🌟、❤️をぜひお願いします。

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