佐狐と柊のタイマンが白熱している頃、本丸では長谷部と巴形が居間をぐるぐる歩き回っていた。
もふもふが食べやすいようにどら焼きを半分に割ってやりながら、火車切が二振りに苦情を申し立てると、長谷部がくわっ!と目を向いた。
政府から大量に送られてきた報告書類に追われたのはつい昨日の話である。
ゴロゴロ転がっている南泉の腹を撫でながら姫鶴が指摘した瞬間に山鳥毛がちゃぶ台に突っ伏した。
軟禁されそう、という姫鶴の論評に、巴形と長谷部を羽交い締めにした広光兄弟も転がった南泉も言い返さなかった。
畳に大の字になってじたばたする豊前を稲葉が諭した。
桑名はその明晰な頭脳で、タイマンへの同行がいかにあなたの結にとってデメリットの塊なのかを糾弾し始めた。倶利伽羅は松井の膝の上で若干引いている。
本丸がそんな惨状(?)になっているとは露知らず、あなたの結は目の前のタイマンを真剣に見ていた。
むしろ嫌味言い過ぎたかな、くらいに反省している。
その時、柊の背後を取った佐狐が拳を構えて突進しようとして、柊に腹を蹴り飛ばされた。
もはや鬼のような形相で柊に殴りかかろうとした佐狐の拳を、柊が大きな手で包み込むように受け止めた。
その言葉を聞いた佐狐の表情が歪んだのとほぼ同時に、柊渾身のボディブローが決まった。
すがるように柊のシャツを掴んだ佐狐の手から力が抜けて、やがて力なくステージに倒れ伏した。
佐狐の惨敗にざわつき出した獅子頭連側の観客席の喧騒を聞きながらあなたの結が立ち上がり、ステージに上がる。
眉間を押さえて言った日光から自分と同じ種類の匂いを感じ取ったらしい柊が、
と謎の労りを嘯いてスペースを開けた。開けてもらったスペースに入って佐狐を俵担ぎにしてステージを降りる。
あなたの結の「軽い」の前には「酔い潰れた次郎太刀に比べれば」という注釈が入る。
人目につかない場所にあなたの結が佐狐を寝かせ、日光が自分の上着をかけてやる。
突っ込んでから、隣で佐狐を見ている柊にちらりと視線を寄越して口を開いた。
緊張が弛緩してきたところに、下駄の音が割り込んできた。
言いながら佐狐のスカジャンを剥ごうとした十亀の手を掴む。
立ち上がってくるりと踵を返し、日光を連れて観客席に戻る。後ろから柊もついてきた。
十亀の視線が、刺すようにあなたの結の背中を見送っていた。
四日間修行(?)して続ける事に決めました。お騒がせして申し訳ありませんでした。引き続き輝夜を応援してくださると嬉しかったりします。































編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。