親友と綺麗な女の子が踊っている絵のような様子に見入っているのは俺達だけじゃないようで、周りの人達も2人に注目している。そんなことを気にもかけず仲良く会話を交わしながら踊っているようで、遠くからでも楽しそうなのが伝わった。
テヒョンアが彼女に見惚れて呟く。
ジンヒョンが冷やかすように、楽しそうに騒ぐ。
テヒョンアらしい平和な台詞だ。
ふとジョングガを見やると、普通にしているように見えて、若干の不服そうな雰囲気を感じた。
知らず知らずのうちに俺達の会話もあなたさん一色になっている。
凛とした姿に、耳に心地よい声。彼女の独特の魅力。
それに惹かれて、彼女をもっと知りたい、近づきたいと誰もが思うのだろう。
…俺もその例外ではない。きっと、他のメンバーも。
そんなことを考えていると、次の曲に移り変わり、2人も踊り終わったようだった。
俺達にそう言うなり、テヒョンアは2人のもとに駆け出して行った。不思議な子でいつも突拍子のない行動をするのは、今日のような場でも例外ではないらしい。
ナムジュナの異変に早くから気づいていたジミナが気遣い上手を発揮しておろおろとする。
優しくジョングガの肩を撫でて、さりげなく顔を覗く。…やっぱりいつもとちょっと違う。プロ意識がどうとか、本心はそんなのではないような。
その様子を知ってか知らずか、ジンヒョンが声をあげた。
あなたさんともっと近づけたら、ジョングガがこうなってる理由も分かるかも。
…それにシンプルにあの子が気になる。
…やっぱりみんなあの子が気になってるんだな。
ユンギヒョンの言葉に誰も異を唱えず、ずっと俺達の顔をキョロキョロ見回していたジミナが早歩きで歩いていった。
ふいにジョングガがとある場所を指さす。
その先の目立たないところに、出入口以外で唯一、屋外へ出られるのであろう両開きの扉が目に留まる。
ぞろぞろと庭園目がけて移動する。扉に近づくほどエアコンの冷気が失われ、むっとした夜の空気の濃度が濃くなっていく。
顔だけ外に出してみると、柔らかなオレンジ色の灯りがぽつぽつとまばらについていて、思ったより薄暗かった。形の整えられた木々はうまくこの建物の塀や目隠しになっているらしい。目をこらすと ところどころに白い彫刻や像が置いてあるようだ。
明るいうちに見たらさぞ綺麗なのだろう。
声がしてすぐ、テヒョンア達が現れた。
もちろん、彼女を連れて。


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!