第9話

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2024/03/08 21:00 更新
曲が始まると、私とRMさんは向き合って一礼する。その姿と仕草も美しい。

彼の左手がするっと私の腰に回されて、ぐっと距離が近づく。反対の手は優しくとられ、軽く握られた。思ったより距離が近く彼の匂いと体温だけを感じて、鼓動が聞こえていないか心配なほどドキドキする。顔も真っ赤になっているだろう。
慣れた様子の彼に対して私はぎこちなく、握られていない方の手を彼の肩に乗せた。

思い切って顔を見上げてみると、真剣な瞳で彼が私を見つめている。それにまた心臓が破裂しそうになった。
nj
nj
…ナムジュン
(なまえ)
あなた
っえ?
頭上からの突然の心地よい低音ボイスに驚いて、彼の唇と口元のほくろをちらちらと見る。
nj
nj
俺の本名
nj
nj
キムナムジュンです
一瞬彼が何のつもりでそう言ったのか分からなかった。が、私に教えてくれるということは…距離を縮めてもいい、ということだろうか。
(なまえ)
あなた
ナムジュンさんって
(なまえ)
あなた
呼んでもいいですか
2人は音楽に乗ってゆっくりと動き始める。
彼のエスコートは丁寧で、初心者の私でもついていけそうだ。
nj
nj
ううん
nj
nj
ナムジュナがいい
nj
nj
敬語も外して、ほしい
思いがけない言葉だった。期待と不安が混ざったような顔で、こちらをうかがうように彼は私にそう言う。
(なまえ)
あなた
それは…私と親しくなりたいという意思だと受け取ってもいいの?

少しの間彼の動きについていくだけで、何も言えなかった。

私が片手を離し距離をとって大きくターンした後 彼の腕の中に戻ってくるとやっと言葉を発した。
(なまえ)
あなた
私、年下なのに、いいんですか?
nj
nj
君だからだよ
少し緊張している風だった彼の表情が和らぐ。

その言葉と表情が、すごく嬉しくて。
私も微笑んで言った。
(なまえ)
あなた
わかった、ナムジュナ
彼は少し目を見張ってから、これ以上ないくらいの笑顔を浮かべる。
nj
nj
ありがとう、あなた
2人の距離がさっきよりもぐっと近づいた気がした。

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