第12話

105
2024/03/26 14:15 更新
扉の外に出てみると、夜の闇の中で発光しているかのようにも見える美しい男性たちが佇んでいる。

Vさんが声をあげるといっせいに彼らはこちらを向いて私を見るので、少し不安な気持ちになった。
(なまえ)
あなた
(本当に来てよかったのかな…こわ…)
思わず私のすぐ左隣に立っていたナムジュナのジャケットの袖を掴む。
(なまえ)
あなた
な、ナムジュナ…
彼は少し驚いた風に私を見て、どこか満足そうににこっと笑う。
nj
nj
あなた、大丈夫だから。
みんな良い人たちだよ
yg
yg
……展開早くね?
hs
hs
わあ〜ナムジュナ、もう名前で呼び合う
ようになったの??さっすが~!
ひときわ肌が白く綺麗なSUGAさん?がボソッと呟いた声は、元気で明るそうなj-hopeさん(だったよね?)の大きな声にかき消された。

j-hopeさんはニヤニヤ笑いながら近づいてきて、とても楽しそうにナムジュナの肩をバシバシ叩いている。
nj
nj
ちょ、お前強いって…
何がそんなに面白いんだよ
その横で、Jinさんが話しかけてくれた。
sj
sj
急に呼び出してごめんね?
来てくれてありがとう
(なまえ)
あなた
あ、いえそんな、こちらこそ
(なまえ)
あなた
でも、どうして…?
さっきVさんとJIMINさんに仲良くなりたいから、と聞かされたけど実際はどうなのだろう。
sj
sj
ん?あなたちゃんと仲良くなりたいから♡
語尾にハートがつくような声で、ウインクまでもらってしまった。

たしかこの人、最年長だよね…?
こういう場に慣れているからこそのリラックスした雰囲気なのかと思っていたが、どうやらそれは違っていて、普段からこんな感じらしい。
nj
nj
っヒョン!
sj
sj
ナムジュナ〜
そんなに焦らなくても大丈夫だから笑
jm
jm
もう、ほんとに…
あなたさん、困らせてごめんね?
初対面の人達(それもアイドル)に囲まれて緊張していた私をJIMINさんが気にかけてくれる。
優しくて気遣い上手なんだろうな。
(なまえ)
あなた
いえ、全然そんな…
ありがとうございます
th
th
あ、おいし〜これ!あなたちゃん食べない?
Vさんがもぐもぐと口を動かしながら片手を差し出す。その手には、ここに来る途中でもらったのだろうか、いつのまにか美味しそうなサンドイッチが握られている。
yg
yg
テヒョンア、気持ちは分かるが食べかけを人にやるんじゃない…しかも女性だぞ
呆れた顔でSUGAさんがVさんの手を優しく下ろす。
きっと、Vさんはみんなにフランクな人なのだろう。
th
th
あ、そっか!あなたちゃんごめんね?
(なまえ)
あなた
大丈夫ですよ、気持ちは嬉しかったです!Vさんが美味しく食べてください笑
th
th
ふふっありがとう!
てか、俺本名教えてなかったね
th
th
キムテヒョンです!テヒョンアって
呼んでーあと敬語も外してね
(なまえ)
あなた
いや、私年下ですよ…?
のんびりしているように見えたVさんにどんどん話を進められて、良い印象を持ってもらえているのだと嬉しいが若干困惑してしまう。
hs
hs
んー、その年上がいいって言ってるから気にしなくても大丈夫だよ?
hs
hs
呼びにくいなら無理にとは言わないけど
j-hopeさんが優しい笑顔で言ってくれる。下がった目尻ときゅっと上がった口角が暗い中でもはっきり見えて、笑顔が似合う人だなあと思った。
(なまえ)
あなた
(そこまで言ってもらえるのなら…)
BTSの人達は個性豊かだけどみんなとても優しそうで、私だって彼らみたいな人達とは仲良くなりたいし、友達になりたい。
(なまえ)
あなた
じゃあ、テヒョンアって呼ぶね
親しくなれた人が増えたのが嬉しくて笑顔で言うと、ぱっとテヒョンが顔を輝かせる。
th
th
嬉しい〜よろしくね、あなた!
yg
yg
あ、俺はミンユンギ。
敬語も無しでいいから
流れるように本名を告げられる。
他のメンバー、というかずっと真顔だったSUGAさん…ユンギにもそう言われると思っておらず内心驚いていると、
jm
jm
ヒョン、そんなさらっと…
あ、俺はパクジミン!
sj
sj
キムソクジンでーす
hs
hs
チョンホソクだよ!
次々と名前を教えてもらう。名前を覚えるのは得意な方だがなにぶん人数が多いので、心の中で何度か反復して顔と一致させた。
th
th
あれ?ジョングガは言わないの?
不思議そうなテヒョンが声をかけた先にいたのは、まだ本名を教えてもらっていないJUNG KOOKさん。
ワイワイしていた私達を少し離れて眺めていたのか、ハッとした様子で私と向き合う。

彼の大きな黒い瞳の中は、まるで星空のように綺麗で吸い込まれそうだ。
jk
jk
チョンジョングク、です
視線が重なってから一瞬目を逸らされた後、またすぐ目を合わせて彼は早口に言う。私の気のせいだろうか、表情が硬い。

唯一の同い年だから、メンバーの中では一番呼び捨てもタメ口もやりやすいのだけど。反応を見るに、分かりやすく好意を持たれているわけではなさそうだから、近づきすぎないようにしようと考えた。
nj
nj
あなた
ずっと黙っていたナムジュナが近寄ってくる。私の正面に立って、左耳に顔を寄せた。
(なまえ)
あなた
(ち、近い…!)
さっき踊っていた時もこれくらい近かったが、今は周りにメンバーがいる。この距離感を間近で人に見られる恥ずかしさで、きっとまた私の顔は赤くなっている。
nj
nj
呼び捨てもタメ口も、俺だけだと思ってたんだけど?
周りに立っているメンバー達に聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな、あの低い魅力的な声でぼそっと呟かれる。ヒューという誰かの口笛が遠く聞こえた。

顔を離されたと思ったら今度は至近距離で見つめられる。

いったい、ナムジュナは私に何を求めているんだろう…?
(なまえ)
あなた
やっぱり、みんなと仲良くできた方が
いいじゃん…?
なんとかそう返してみたものの、ナムジュナはこちらを見るばかりで何も言わない。何を考えているのか、表情も読めなかった。
(なまえ)
あなた
ただ、友達になろうってだけの話だよ?
なんでこんな、言い訳みたいになってしまうんだろう。どうして彼からえもいえぬ圧を感じるのだろうか。
付き合っているわけでもないのに。
(なまえ)
あなた
…ナムジュナが、一番最初だったじゃん
(なまえ)
あなた
呼び捨てもタメ口も
なんだか彼が怒っているような気がし始めて、視線に耐えられず目を落とした先にあった手を思わず掴んでしまう。
(なまえ)
あなた
あなたが、最初の人なんだよ?
ナムジュナを見上げる。
表情は変わらないが、眉だけぴくりと動いたのが分かった。

だけど、私ばかり彼の機嫌取りをしているようで、ひと泡吹かせたいといういたずら心が湧いてくる。それに、ずっとこっちがドキドキさせられるばかりなのも少し気に食わない。

背を伸ばして、さっきされたように彼の耳元に口を寄せた。小声で呟く。
(なまえ)
あなた
ナムジュナ、それだけじゃ不満?
体を離して彼を見ると、なぜか満足気に見える。
(なまえ)
あなた
(ん?)
なんでそんな顔…?

内心戸惑っていると、ある声が飛んできた。
jk
jk
2人は付き合ってるんですか?

プリ小説オーディオドラマ